犬婿入り
犬婿入り / 感想・レビュー
kaizen@名古屋de朝活読書会
【芥川賞】「犬婿入り」って何だ?狐の嫁入りなら有名なのに。多摩川、キタナラ塾、日常生活に非日常が混じる。芥川賞らしい作品。
2014/02/09
Koichiro Minematsu
文体に古めかさを感じたのが、かえって新鮮で日本版グリム童話を思わせた。アラフォー独身女性とアラサー男子の多様な生き方と考えると良いのか? そう自分に理解させた。
2021/10/30
あつひめ
表題作が芥川賞受賞作だそうだ。犬と人・・・タブーな部分に手を加えながら作り上げた不思議な世界。というか、今回の多和田さんのペルソナもちょっとずつ歯車が違っていくようなギシギシ軋む感じがあって、そう簡単には物語に溶け込むことができなかった。でも、目を逸らすことができなくて。犬の太郎がやってきたみつこの家が跡形もなくなったところで夢から覚めるような・・・そんな気分になった。そういうところが作家さんの腕の見せどころなのかもしれない。
2012/09/02
抹茶モナカ
芥川賞受賞作『犬婿入り』と、もう1作『ペルソナ』収録。何処となく幻想的な表題作は、読んでいるうちにほんわかと異世界に連れていかれる不思議な話。『ペルソナ』はザクザクした肌触りの短編小説。日本人としては、ドイツ人や韓国人が大事な役割を担うこちらも幻想的な雰囲気。じわりじわりと著者の感性に包まれるような。
2017/01/04
クリママ
「ペルソナ」留学生としてドイツで暮らす。ドイツでは外国人。ざわざわとした不安感、疎外感、身の置き所のなさ。深井の面をかぶる。解放された。「犬婿入り」一文が長い。それは「ペルソナ」では見られないので、多和田作品の特色ではなく、この物語の演出なのか。郊外に住む母親達の下世話さと、民話のおおらかな淫靡さとが相まって、不思議な魅力がある。でも、あの結末は? きつねにつままれたようだ。久しぶりの純文学。
2017/04/01
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