夜の神話
夜の神話 / 感想・レビュー
ヒロ@いつも心に太陽を!
都会から田舎に引っ越してきた正道は「こんな生活ダサい」とふてくされる毎日。そんな彼がふとしたことをきっかけにツクヨミさま(月読命)と出会い、家霊や猫や今まで気にもとめなかなった木や虫と話が出来るようになったことで狭かった視野が広がり、あらゆるものに宿る命とその生命力の躍動感を知る。そんなとき、パパの勤める原子力発電所で原子炉が事故を起こし爆発の危機に。そして大好きなスイッチョさんが青い炎に蝕まれ・・・。果たして正道たちはスイッチョさんの命を救い、危機を食い止められるのか?
2012/07/13
おはなし会 芽ぶっく
マサミチは中学受験を目指していたのに、夏休み前田舎に引っ越すことに。そこで神・鬼・霊のいる異次元世界に引きずり込まれました。そんな時原子力発電所での事故(マサミチのお父さんは原発の技術者)、神や霊たちに手助けを頼みますが断られてしまいます。福島の原発事故なんだろうか?という位リアルな描写ですが、20年以上前に書かれた本だそうです。
2018/10/04
いくっち@読書リハビリ中
月読命は古事記での登場回数が極めて少ないため、小説の中でいかようにも設定できるファンタジー界の王様だと思っている。都会から田舎へ移り住んだ六年生のマサミチが夜のお方様からもらったサトリまんじゅうを食べたことにより、生けるものたちを見聞きすることができるようになる。さて、このままいくとただのファンタジーで終わるが、この小説は原発を題材に描かれている。しかも小学高学年を対象としており、真実味を実感することができる。あっさりとハッピーエンドにしないあたりが子供たちに問題提起を投げかけている。
2012/01/19
もりたけ
かなりリアルだった。いつか原子炉が壊れること、近い将来事故が起きるだろうってこと、電力会社が真実をひた隠しにするだろうってこと。こんなにも予想ができていたのに、現実になっちゃいけなかった現実が今起きている。いろんな人に読んでほしい。
2011/06/24
iku
'93年の初版。まるで福島を予言するかのような、原発での危機一髪の事故にからめ、人間の欲深さを憂う神々に出会う少年のファンタジー。まるで見てきたかのような臨場感ある事故の原発シーンと、原発企業のあまりにも責任感のない対応に憤りというより、諦念を感じます。
2014/08/21
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