KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

声の娼婦

声の娼婦

声の娼婦

作家
稲葉真弓
出版社
講談社
発売日
1995-01-01
ISBN
9784062073622
amazonで購入する Kindle版を購入する

声の娼婦 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

のれん

この作者は無機質な官能描写が多い初期に近い作品が好き。 表題作の突き放しながら待ち望んでいるスリルに近い恋も良いが、特に『私の知っている彼について』で描かれる無機物の抱かれることのない男の視姦がゾクゾクする。 犯罪を含めた背徳の快感を活かした題材で、気色悪くとも抑圧された人間が持つ開放の瞬間に、接点がなくとも感情移入してしまう。 それはきっと語りの持つ魔力だ。好みから始まる退屈を紛らわす背徳は、きっと己を焦がす魅力になる。淫らな物語。

2020/08/29

Apollo

自分が透明な目になって語り手の世界を静かに見守っているような気分になる。表題作の「声の娼婦」、言葉を交わす友人は少ないが自分自身と深く心を通い合わせている、孤独に対する絶対的な安心感がいい。一番気に入ったのは最後の「魔草」。「私はたぶん、ありふれた一人暮らしの、どこがどういうこともない時間の中で、とくにあがきもせず、自分をみじめだとも思わず、這い上がろうとも落ちようとも思わず生きていられるたちの人間なのだ」「そう思いつつ、自分では想像もしなかった人生に足を踏み入れる瞬間もあるのだ」(P.194)が好き。

2015/08/03

nana

この本を読んで著者のファンになりました。大好きな作品です。こんな小説を書きたい。

2016/11/07

三井陽子

相反するかもだけど、無機質な色気という感じ。『半島へ』の枯れてる美しさとは、また全然違う感じ。

2015/09/14

感想・レビューをもっと見る