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オン!

オン!

オン!

作家
池田晶子
出版社
講談社
発売日
1995-07-07
ISBN
9784062077156
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オン! / 感想・レビュー

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佐島楓

埴谷雄高を解読するにあたっての参考文献。ああそういうことだったのか、という気づきがいくつもあって、とても勉強になった。教えてくださった読友さんに感謝申し上げます。

2017/05/31

Gotoran

タイトル『オン!』とはギリシャ語で『存在』の意だと云う。「存在」に関して哲学的在り方が同類の池田晶子が、「自同律の不快」「存在の革命」を語る埴谷雄高について、論評、対談、著書解説を通して紹介していく。“最後からひとりめの読者による「埴谷雄高」論”と題された埴谷雄高論に始まり、2編の対談集[“対談Ⅰ(1986秋ー存在の文学)”、対談Ⅱ(1992春ー無の哲学)”]、“註釈『不合理ゆえに吾信ず』”(埴谷著)他。形而上学的論考で難解ではあったが、興味深く読めた。埴谷の『死霊』を読んでみたい。

2017/09/24

miyu

「オン」とはギリシャ語で "存在" を意味するそうだ。池田は埴谷を「永久革命者」と呼び埴谷は池田を「異端の哲学者」と呼ぶ。限りなく誤解され批判されることの多い二人が、50歳もの年の差をものともせずに理解し合う存在だったのは私達にもなんて幸運ことか。あの時代に埴谷雄高に平気である意味不躾に斬り込んでゆく若い女性(それも美人で頭が良い)がいたのが不思議だ。埴谷は嬉しくもあるけれど予想外の戸惑いもあったかもしれない。だが池田が埴谷論をめぐって若き頃に長く干されていた間、埴谷は折につけ励ましたという。素敵爺だぜ。

2015/11/15

里愛乍

私が一生かかっても読み解くなんて出来やしないであろう埴谷雄高『死霊』それを通して「睨まれた」という池田晶子氏との形而上対談である。「存在」「魂」「宇宙」などという言葉を使って真理を考える、言葉にするという行為を埴谷氏は文学で、池田氏は哲学的エッセイにて表現していく。「発明」と「発見」、夢についての「存在論」この辺りのふたりの掛け合いが面白い。文字で説明出来ない、他人に伝えられない、私の「わかる」がここにある、幾度となく読み返している一冊。

2020/04/14

solaris

哲学的文筆家・池田晶子と思索者・埴谷雄高の対談集。池田による、埴谷雄高論も収録。池田は埴谷に対して、この世界で唯一無二の親近感を抱いているが、他の著作では埴谷のことはほとんど書かない。 認識母体であるところの「私」という、コレは何なのだろう。どの著作にも変わらぬ池田のテーマで、夭逝するまで全くぶれなかった。 そして、形而上学という論理で認識は出来ても表現出来ない「存在」について、埴谷は文学という、物語と暗示の力で錯誤的に表現しようとした。 「自分の頭で考えなさい。」19の頃から変わらぬ精神的な師のままだ。

2019/04/20

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