世紀末の予言者・夏目漱石
世紀末の予言者・夏目漱石 / 感想・レビュー
あなた
なんかちょっといまいちピンとこなかった。小森陽一にしては切れ味がわるくないかな、と。ただし、漱石テクストのなかの「汽車」という装置をまとめて位置づけてくれているのはありがたかった。ここ、非常に大事だと思う。もうひとつ、代助の風俗通いと自己本位の「愛」の挫折の指摘の関連付けも興味深い。そこはやっぱり見落としがちになるが、見落としてはいけない点だと思う。とくに『明暗』の輻輳する「愛」への主題へとつなげていくためにも。代助に惑わされてはいけない。
2010/08/17
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