公爵夫人邸の午後のパーティー
公爵夫人邸の午後のパーティー / 感想・レビュー
マリリン
表題作は、リズム感は違うものの、ノリが町田康のような感じだがやや読みにくい。 「ヴェロニカ・ハートの幻影」、発想が面白い。洗練された感はないが、安部公房の作品を想う。....いつまでも檻の中にいれば一生自由なのだから。重要な情報というやつは、そう簡単は表沙汰にならない、多分ね。2作品とも登場人物は既読の作品より癖がないものの独特な個性がある。『アメリカの夜』を先に読むべきが迷ったが。この作家の作品を読むにはエネルギーを要するが、どこから潜っていくかがキーワードのような気がした(意味不明かもしれないが直感)
2019/11/04
kenitirokikuti
図書館にて。阿部和重氏の初期作品・初期単行本。現在は講談社文庫の『ABC<阿部和重初期作品集> 』に収められている▲表題作は「群像」1995.6月号に掲載。乱暴にいうとギャング映画を換骨奪胎したものだ。「セーラームーン」が引用されている。仮装パーティーの話なので、アイマスクしてるセーラーVなのかもしれないが▲併録の「ヴェロニカ・ハートの幻影」。ヴェロニカ・ハートはアメリカのポルノ女優の名前▲細かい感想は初期作品集単行本に回そう
2020/09/28
Disコ
「美少女戦士だとはいえ、こんな話を聞かされたのだから、セーラームーン様が戸惑うのも無理はありません」←なにを言ってるんだwうーん、実験作で意欲作だと思うんだけど、何を実験しているのかがわからん。公爵邸は単館系の映画になりそうな内容でしたね。
2014/05/25
聖月
◎◎万人向け抱腹絶倒阿部ちゃん本である。いや、万人向けじゃないな。町田康や舞城王太郎が好きくないという読者諸兄には、やっぱ好きくないかも。本書には表題作「公爵夫人邸の午後のパーティー」と「ヴェロニカ・ハートの幻影」という2作の中編が収められているが、そのどちらも評者的には◎◎だったので極上の阿部ちゃん本だと思うのだが、amazonでの評価を見ると5つ☆中、2つ☆だったので、やっぱ万人向けではないかもね。
2005/01/23
hahaha
中原昌也の小説のような印象。文体の読みづらさを感じつつも、それでも続けて読みたくなってしまうのは作者の力量によるのだろう。表題作のよく分からない展開も、徐々に面白みが増して、最後は少し感動的で清々しさすら感じた。 もう一編の話はラストがシュールな不条理劇のようで、ドイツ人映画監督ファスビンダーの作品を見てるようだった。
2019/09/26
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