深い河創作日記
深い河創作日記 / 感想・レビュー
あきまこ
何度も読んでいる『深い河』が、どのように執筆されたのか、日記という形式で辿ることができました。引き込まれる冒頭からして、このような苦痛を経て生み出されたのかと思うと、作家の偉大さをあらためて感じさせられます。そして、読書することによって得られる満足感と幸福感、感動、共感といったものをもたらしてくれる作家さんに、感謝や尊敬の気持ちがわいてきました。「宗教の根本にあるもの」は、富士山を登る例えがとても分かりやすかった。あと、人が何を信じるかという経緯については非常に共感いたしました。
2017/05/03
Haruka Fukuhara
タイトル通りの本。色々な懐かしい作家さんたちの名前が並び感慨深い。三浦綾子と遠藤周作に家族ぐるみの交流があったことは初めて知った。
2017/02/16
門哉 彗遙
「深い河」が遺作だったのですね。数年かけて作り上げていく箇所が見られて、とても興味深い。
2024/07/19
ワッツ
何かの随筆で著者がこういうのも(創作日記)良いかなと書いていたのを読んだ覚えがある。読み手を意識しての日記だが実に興味深い。我が身を恥じる謙遜しまくり日記。老齢病躯にも関わらず、相当働いている印象を受ける。主治医(加登)のせいなのか遠藤の腎臓の数値が悪くなったところあたりはいたたまれない。そこら辺のことは夫人の著書が詳しいが、読んでいて本当に心苦しくなるし、正直私まで加登が憎たらしかった。感嘆詞合成の元祖、遠周らしく、まさに小説を書くことは「苦楽しい」ことが伺える。1993年前後をもっと深く読んでみたい。
2015/03/01
やまめ
「深い河」の再読前に読んでみた。こんな風に構想を練っていくんだ。まさに、生みの苦しみだわ。こんな環境で、書いているのだもの、「深い河」が遠藤周作の宗教観をふんだんに盛り込んだ作品になるはずだわ。あと、「ミサで幸福感に充たされ」「ここは生活ではなく人生だと心の底から思った」との言葉が非常に印象的だった。
2012/10/20
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