境界
境界 / 感想・レビュー
tom1969
「藤沢周」6冊目にして、最も理解に苦しんだ。例えるなら『ファイトグラブ』で、本書も実像が見えなかった。もがき苦しむとはこの事で、タイトルの『境界』は、まさに現実と妄想の境界であった。しかしながら、めげずに「藤沢周」を追いかける。
2015/10/07
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同著者の「箱崎ジャンクション」の下地になっているのでは。
2014/06/27
いのふみ
狂っているのかいないのか? クラチキミコは誰なのか? 「私」は誰なのか? 徐々にこちらとあちらの区別が不明瞭になっていき、すべてが謎に包まれてゆき、存在すらするのかも分からなくなっていく不思議な世界が面白い。
2012/06/02
とろろ
個人の記憶というものは、事実と勘違いと妄想がどのくらいの割合で成り立っているのかとふと思った。この本の中の三橋の周りで起こる出来事も、どこまでが事実でどこまでが妄想なのか…酔いそうな作品だった。
2013/06/08
sibafu
読み終わって一週間ほど経ってから思い返してみると、なんとなく安部公房っぽい印象。病院、幻想、奇妙な女。特に病院というのが安部公房的な印象が強い。また、現実と妄想の境界が曖昧になっていく流れも。奇妙な女を追う話、という点では同作者の『黒曜堂』に近い。クリストファー・ノーラン監督の映画『インセプション』の洗練されていない粗っぽい状態の物語、とも言えるような。とりとめもない物語。いや、モノガタリ…?と疑問を抱く納得できないような物語。人にすすめられる本ではないだろう。でも、この人の書く文章がただ好き。
2013/04/01
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