最悪
最悪 / 感想・レビュー
taiko
町工場の社長新次郎、チンピラの和也、銀行員のみどり、3人の日常に降りかかる不幸の連鎖。これでもかと続く不幸が最悪に繋がる。新次郎に続く最悪な出来事は、とにかく読んでいて辛かった。本人は一生懸命なのにと思うとやり切れない気持ちになり、こちらまで息苦しくなってくるほど。3人がかもめ銀行のロビーで出会い、逃亡劇を繰り広げる。逃げられっこない、と思うような杜撰な逃亡劇なのに、どこかおかしくて、何とかならないものかなと同情してしまった。ラストは落ち着くべきところに落ち着いた感じ。スッキリとは→続く
2019/07/22
いつでも母さん
ナオミとカナコ、噂の女を読み、既読の奥田作品の中から『最悪』を・・確実に私の脳細胞は老化だなぁ(笑)確かに最悪だったけれど、ちょっと甘いかな(辛口失礼)だれが一番最悪だったのだろうと思うと、やくざさん達かな?救出されてからの銀行の対応がリアルで却って笑えた。さもありなんだよなぁ・・私にも姉がいるが、兄弟・姉妹って実際、そんなに簡単じゃないのは解るよねぇ~(汗)しかし、上下約400ページは長かったかな。
2015/03/04
PSV
接点のない3人の生活、どん詰まり具合が丹念に描写され、次第に悪い方向へ悪い方向へと流れていく様はスリリング。併せて、クライマックスの接合とラストのカタストロフは息苦しさとともに、もしかしたらこんなことが当たり前に起きてるのかもしれない、と思わせる力がある。にしても、よくもまあこんな構成とお話を思いつくなぁ。 ★★★★☆
2012/05/29
しぃたろ@記録の一部が消失:(
3人の登場人物達が些細な事から道を踏み外し、そこからはテンポ良く"最悪"の蟻地獄へと落ちて行く。どこまでも追ってくる"最悪"、"最悪"、"最悪"の連続。世の中は世知辛い。まるで救い様が無い。それまで全く接点の無かった3人が出会い、迎えるラストはそう来るか!と思わず唸らせられる。読む手が止まらなくなる。寝る時間を忘れてしまう程面白い本を、久々に読んだ。著者の他の作品も是非読んでみたい。
2016/01/16
ブルームーン
鉄工所経営の川谷、女子行員のみどり、無職の和也。当初、何の繋がりもなかった3人に次々と起こる「最悪」な出来事。終盤、3人はある事件で関わりを持つことになるが、その辺のやりとりはちょっとコメディっぽい部分もあり面白かった。でも、ちょっと長すぎるかな。他の人のレビューにもあるように太田の亭主、本当に嫌な奴・・・。
2014/06/11
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