30年の物語
30年の物語 / 感想・レビュー
pippi
「翳り」、と惑うことなく筆を運べる字力に、映像の中での女優然とした笑みの底には、少女が戦前の教育を受け戦禍を体験し青年となり、時代とラディカルに生き抜いてきた勁さ、を眼前につきつけてくる。12篇の点描に捩れるように綴られる文章に、読者はいない。好奇心旺盛とは仮面の言。目にうつるものは見たいものだから、彼女が書くは書きたいから。スターであった彼女ゆえ、とりえた他者の不在が独特。
2012/03/03
スー
一人一人に物語はあるんだけれど、同じ時代に同じような人生を歩む人も多い中、日本で女優として成功し、海外旅行が自由化されていない時代に渡仏し、フランス人と結婚。彼女にしか織りなせない、そして、ほとんどの日本人が経験できなかった人生、培われた感性を感じることができて、岸恵子さんの本は本当に好き。
2013/02/16
慧の本箱
岸恵子の独特な感性
2006/07/24
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