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礫

作家
藤沢周
出版社
講談社
発売日
1999-10-01
ISBN
9784062097789
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礫 / 感想・レビュー

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闇のキッザニアとでも名付けたい。お仕事発見バラエティこと藤沢周、今回はペット業界紙を題材に、マリッジブルーの男が壊れていく様を描く。とくに決定的な何かが起こるわけではないのに、イヤーな展開が延々と続く。婚約者と結婚式場の件で諍い、マスターベーションがバレ、挙句婚約者に実家に帰られるが、実は実家に帰っていないとのこと。どこに行っていたんだ…もやもやが。全く解決しない。藤沢周の小説に出てくる女の人、みんな怪しいやつばかり。藤沢周の小説に出てくる男の人、みんな疲れたやつばかり。

2020/04/22

sibafu

ひたすら現実的な話がつづく。でもそれに鬱々と沈んでいって、開き直ってちょっと浮いていく主人公の胸中がおもしろい。結婚式のために婚約者と話し合っていて、式場はどこだ料理はフランスか日本か、猫を飼いたいだとか、転職すれば月給が上がるけど今より汚れ仕事だとかそんなのばかりの現実的小説。結婚式とか馬鹿らしいと思っていてそれは変わらないけど、必要悪のようなものかと読み終わっておもう。新聞記者の仕事や印刷所の校正室での描写など、相変わらず藤沢さんは業界の専門用語の使い方が上手く、リアリティのある世界に引き込まれる。

2013/01/04

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