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邪魔

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邪魔

作家
奥田英朗
出版社
講談社
発売日
2001-04-01
ISBN
9784062097963
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邪魔 / 感想・レビュー

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みも

『最悪』『無理』に並ぶ三連作との位置付けだが、秀作の2作と比してもその高いクオリティは別次元の傑作群像劇。主要人物達はいずれも抜き差しならない状況に陥る。殊に主婦が進退窮まり、錯乱状態から狂気に至る鬼気迫る描写には、何故か桐野夏生さんの『OUT』に見られる疾走感のダイナミズムと同じものを感じた。クライマックスまでの構築と、破綻のない論理的心理描写が実に巧緻。妻を亡くし義母を思慕する刑事は不完全な人間性を晒し、組織内の軋轢や絶対的階級主義下で憤怒し煩悶する。僕は読む事が辛くても、ページを捲る手は止まらない。

2020/06/23

ダイ@2019.11.2~一時休止

3人の主人公目線で放火事件を追っていく。主婦の壊れていく様がすごかった・・・。

2016/04/20

taiko

夫の会社で放火事件が起こった。第一発見者の夫は、警察やマスコミに張られている様子。新築の一軒家の庭づくりに励むパート主婦恭子の胸はざわつき始める。…小さなズルをする夫に気づいていたのに、ずっと幸せだと信じていた恭子。最後にあんな展開になるとは、想像もしなかった。とは言え、職場の環境と戦うようになったり、マスコミに対抗し始めたり、夫に乱暴な口をきくようになったりと、どんどん転がり落ちていく様にはドキドキさせられた。子供達を守ると起こした行動だったのに、最悪な結果になってしまい、子供達が心配。

2017/11/26

chichichi

長かったー。2段構成の本に初めて出会いましたが、長編は好きなので読み応えが有り満足。ある放火事件から始まり広がっていく人間達の思惑の行き着く先が読んでいて苦しい。「邪魔」されたくないという思いと、「邪魔」したくないという思いの連鎖。ただただ巻き込まれる子どもが可哀想。そして警察組織の内部事情、非常に面倒そうですね。

2015/08/06

再び読書

結構最後までヘビーな物語だった。一体誰に救いがあったのか?九野の会っていたお義母さんは一体何だったのだろうか?及川夫婦の末路は何故こんなに救いが無いのか?子供たちの今後は何が待っているのだろうか?嫌気がさす。いまいちタイトルの邪魔の意味がわからない。花村の壊れ方もいまいち納得出来ない。権力志向の警察のドロドロ感も不快感が増す。読み物としてのエンタメ感というより不快の連鎖で読み進めさせる。ある意味奥田氏の実力が感じられる作品だった。しかし、再読したく無いと強く思わせる作品であった事も事実。複雑!

2018/07/11

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