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幽

作家
松浦寿輝
出版社
講談社
発売日
1999-07-01
ISBN
9784062098557
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幽 / 感想・レビュー

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メイ&まー

夢とうつつのあわいを往き来するような文章は、ゆらゆらと美しいと思わなくもないけど、官能を超えてちょっと生臭い匂いが鼻についてあんまり好きでなかった。自分好みの女(それと比較するように過去の愚かな女。この描写はなんか莫迦にされているようで不快だった)、酒、、それに溺れて、生きるの生きないの、進むの進まないのと悩むそぶりで、ううーんどうしよっかなあと日々暮らす男の様は・・・なんだかちょっと。。

2015/01/03

skellig@topsy-turvy

ずっっと読みたいと思っていた本の1冊。生と死の境界が限りなく曖昧になった世界で、男たちがそれぞれ不思議で時にエロティックな体験をしているのだけど、「狂気」とか「異次元」という言葉では少し違う。実は世界ってこういうヘンテコが真実の姿では、と本に頭からのめり込みそうになる(心身的に)。贅沢な4編のお話だけど、特に表題作と「ふるえる水滴の奏でるカデンツァ」は舌舐めずりしたいくらい好き。松浦さんの作品ってやはりどことなく仄暗くてエロい。好きだなあ。

2012/10/11

hirayama46

かすかな、かそけき生を送る人々を描いた短編集。思えば、この本に限らず松浦寿輝の小説の語り手たちはみなどこかかそけきところがあって、自己の中心が不定な感覚があります。ぼくはだいたいにおいてそういう人々に共感するのです。

2016/08/31

satooko

「あやめ~」がよかったので、初期の短篇集もと読んだが、引っかかったのは表題の「幽」。でも手放しで賛する気は起きず。芥川賞の選評で宮本輝が「一見うまい。一見、自分の文体を得ているかに見える。けれども、どこかに失礼な言い方をすれば、いんちき臭さを感じる。作者はたしかに頭のいい人なのであろう。小説の作り方が幾種類か脳味噌のなかの引き出しにおさめられてあって、そこには、ぎっしりとマニュアルが詰まっている。よし、こんな小説を書いてやろうと引き出しをあけ、鮮かに書いてみせた」と。言い得て妙。

2009/02/24

アレカヤシ

「幽」は、これまでに読んだいくつかの著作と同じく、作者の主なテーマで書かれていた。すきだった。(結局、わたしという者はいないのだ)P145 (しかし淋しいというのは何か特別のことではなく生の常態そのものではないだろうか)P183  「ふるえる水滴の奏でるカデンツァ」は、ロマンティックな逸品で、他の著作にはみられない雰囲気。本書のなかで一番好きだった。(「自分が自分であること」の淋しさ)P52

2019/02/12

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