光とゼラチンのライプチッヒ
光とゼラチンのライプチッヒ / 感想・レビュー
ヴェネツィア
10の短篇を収録。いずれも多和田葉子らしい小説といえば、まあそうだ。言葉の連鎖が次なるイメージを作り出してゆくといった小説作法なのだが、それぞれはなかなかに個性的だ。戯曲のスタイルをとる「夜ヒカル鶴の仮面」や、ほとんどひらかなばかりで綴られる「ちゅうりっひ」。内的には「ころびねこ」や「胞子」が奇妙なユーモアを湛えた世界を描いてみせる。作品世界には、つかみどころがないし、主人公も概ね明確な像を結ばない。それでも小説として、くっきりと自立している。ある意味では「小説とは何か」がわからなくなるような小説群だ。
2014/12/06
葵衣
多和田葉子さんの不思議な言葉遊びの世界はやはり面白い。そして外国への旅の描写もとても好きだ。お気に入りは、「捨てない女」「光とゼラチンのライプチッヒ」「ころびねこ」「チャンティエン橋の手前で」「夜ヒカル鶴の仮面」。
2019/02/04
雨宿り
【か・仮面】こういう深長な短編集は好物だ。硝子片を踏んだかように、深く刻み込まれた感覚。@図書館
2009/11/17
しぃ
★図書館★テーマは旅?シュールでリアル。矛盾、飛躍、疾走する言葉。振り落とされないように、思考をかき回されながらも共に旅をし、砂漠の歓楽街を抜け、千手観音と共にため息をつくのです。
2009/07/30
ナヲ
列車と放浪については、この人の右に出る人はいないと個人的に思っています。佇まいがとてもクール。エロい。そして何気に名言が多いから、マジで困る、多和田葉子。『捨てない女』と『夜ヒカル鶴の仮面』が異様にすきです。
2009/12/22
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