KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

黄金の島

黄金の島

黄金の島

作家
真保裕一
出版社
講談社
発売日
2001-05-01
ISBN
9784062106566
amazonで購入する

黄金の島 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

遥かなる想い

ベトナムの若者たちと 日本のヤクザの物語である。自由と豊かな暮らしを求め、 日本に憧れる ベトナムの若者たちの心が 痛々しい。 日本を逃れた修司と 日本に憧れるチャウ… ホーチミンの風景が今に伝わるようだが… 日本上陸直前の裏切り・諦め・執念は 予想を遥かに超え、他人への冷めた目と 日本への想いが印象的な幕切れだった。

2023/10/05

ニゴディー

長くて地味。 問題提起(というか現実を描きたかったという表現の方が良いのか)の意味もあるんだろうし、そのあたりがうまく物語へ昇華させられており好きな作品ではある。 ラストは賛否がありそうだけど嫌いではない。 そこに至るまでが長すぎたのでペース配分としては良くなかったとは思うが。

2021/04/02

米倉 涼子

★☆☆☆☆自身が貧困に喘いだり、命の危機に晒されるといった追い詰められた状況になったことがないので、このベトナム人達の極端な行動や、本性剥き出しで考えなしに見える行動は到底理解ができないが、世界中で争いが絶えない事を鑑みると、人間はやはり愚かなんだと思う。また、今作に出てくる女達は皆卑しいため好きになれず、他にも現地のブローカーや意地汚い警察官、奈津を取り巻く関係者等、登場人物の殆どがクズ野郎で、読んでいて気分が乗らなかったな。1つのシーンが長くてくどく、1冊読むのにこんなにも時間がかかったのは初めてだ。

2023/11/03

マッピー

チャウは、シクロ乗りとして暮らしている。ベトナムの底辺で暮らす人たちが、どれだけ過酷な毎日を送っているのか。そして彼らの前に現れた、組織から追われベトナムに逃れてきた男、坂口修二。なんとかして日本に帰りたいと思う坂口と、日本で金持ちになりたいチャウたちが出会ったとき、彼らは日本へ向かうことになった。とはいえ、頭がいいのにお人好しで詰めが甘い坂口や、ほころびを見せるチャウたちの仲間などのせいで二転三転する状況に気が気ではなく、ページをめくる手が止まらない。男は夢を見て、女は現実を見るということなのだろうか。

2015/10/22

クルミパン

賄賂と密告、社会主義社会の現実を垣間みる小説。そんな社会から逃げ出し黄金の島へ希望を掛けるベトナムの若者と日本のやくざとの奇妙な愛情と信頼関係の物語。希望も持てない国に生まれると生きていく意味が見いだせないのであろう。最近読んだ五木寛之氏の「親鸞」の念仏とつながるところがあるのではないかと感じた。 主人公チャウが旅立つときの妹ととの別れのシーンが印象的。ベトナムの方の純粋な家族と仲間についての思いやりに感慨した。

2012/09/13

感想・レビューをもっと見る