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中大兄皇子伝 下

中大兄皇子伝 下

中大兄皇子伝 下

作家
黒岩重吾
出版社
講談社
発売日
2001-06-01
ISBN
9784062106580
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中大兄皇子伝 下 / 感想・レビュー

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蘇我入鹿を殺害したあとも、自らにとって邪魔な者を次々葬りながら突き進む中大兄皇子。義理の父、甥、間接的には大王すら葬り権力をふるいながら、禁忌とされた同母妹である皇后とも交わる。当時に関わったなら、蘇我入鹿が王となっていても意外に変わらなかったかもと思えるくらい、同質の個性として描かれている。しかし年齢ともに衰えは隠せず、白村江の戦いで初の挫折を味わい、鎌足も亡くなり、弟はついに滅ぼせずにこの世を去る。著者の作品で唯一、一人称で書かれた物語なので、最後の一文は今まで読んだ中で最も心にしみた。

2017/09/24

血で血を洗うような、争いの上に成り立つ大化の改新が楽しめました。

2014/02/08

ちゃこ

蘇我倉山田石川麻呂の謀反疑惑、孝徳大王の排除、斉明大王(重祚)擁立、百済出兵、近江への遷都など。   上巻同様、エンターテイメント性を一切排除している筆致で、中大兄の一人称で淡々と語られていく。面白味はなく教科書を読んでいるような一冊。しかし、良い意味でも教科書的で、律令制導入の難しさ、謀反などの事件の経緯、中大兄の皇太子期間が長かった理由、朝鮮半島との外交の背景などなど、よく知ることができた。日本史を勉強中の学生さんに薦めたい本でした。

2013/07/22

うめけろ

やっぱり、基本的な感想としては上巻に書いた通りです。下巻では、中大兄皇子を中心として、日本が律令政治に向かってどう進んでいくのか、中国や朝鮮との国際的な戦略をどのようにとるのか、日本国を一つにまとめるために誰と組んで誰を排除するのか・・・そういう権謀術数がみずみずしく描かれていて、それはそれで面白かったですが、個人的には篠﨑紘一氏の『虚空の双龍』の方がもっと小説的で面白かったなあ。

2013/05/10

はるまさ

唐の律令政治を目指して改革を進める中大兄皇子。中国大陸、朝鮮半島の政治状況も含めて歴史的な背景が詳細に述べられつつ、中大兄皇子の一人の人間としての苦悩が描かれていた。弟・大海人皇子に対する複雑な感情、妹・間人皇女との禁忌の恋等。日本の歴史を変えた改革者ではあったけど、中大兄皇子自身は、いろいろなしがらみに縛られ、邪魔になる人物を次々に殺し、心休まる時のない人生だったのではないか。下巻は、登場人物たちの悲壮な最期が多くて、読んでて落ち込む。でもこれが“歴史”なのかなぁ、とも思う。

2013/03/05

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