情熱の女流昆虫画家: メーリアン波乱万丈の生涯
情熱の女流昆虫画家: メーリアン波乱万丈の生涯 / 感想・レビュー
Koning
一言で言ってしまえばまさに波乱万丈の生涯。時代もまさに市民文化が花開きつつあったり、宗教的にもプロテスタント社会がわーっとなってという中で科学といえばまだなにそれ?な時代だったり。そこに画家(というか版元というべきか)の娘として生まれた虫愛づるマリアさん。時代背景を考えればすぐに変わってしまう科学的手法を知ることができなかったということでは早すぎたからこそ、そして美しすぎる絵も相まって忘れられ、という感じが。しかし、タフでエネルギッシュ。ボタニカルアートを見慣れてる人でもをーって思うとこだと思う(続く
2015/06/17
はる
図書館本。「絵」にしかできないことがある。一画面に、蕾、花、未熟な果実、熟した果実、そして卵、芋虫、蛹、蛾、すべてを配することができる。それも画家の思いのままに!羊皮紙に銅版画で手彩色、本物を見たいなぁ。パイナップルにゴキブリの分でも良いから。(ほんとうにゴキブリそのもの、幼生もいる)メーリアン、絵も凄いけれど生涯も面白すぎる。ドレスでスリナムで昆虫採集!浮世絵の版木が稀に残っているように、メーリアンの銅版画の原本も残っていたりするのだろうか?読み友さんありがとう~。楽しすぎ。
2015/05/25
くろねこ
何百年も前に、女性が2人の子供を連れて、未開の熱帯の地に赴く。今よりもはるかに女性にとって、生きにくい世だったと思うのだが。そしてなしとげた仕事の素晴らしさにもシビレた。もちろん、スリナム産昆虫画の本、高かったけど買いました。
2011/10/14
itokake
17世紀、女性の理想の生き方は主婦、そして魔女裁判が残る時代に虫を追いかけ、昆虫画家として成功したメーリアン。私も虫好きなのでワクワクしながら読んでいると、おやっと思う記述が。p54「生まれたての蛾(カイコ)はいつのまにか空中を飛んでいる」カイコは飛べない。羽ばたくけど。中野京子氏の感性豊かな文体は大きな魅力だが、メーリアンの容姿がイマイチだという推測も、タイトルの「女流」も、カイコを飛ばしてしまうのも残念。図はせめて1ページの大きさがほしい。図69は掲載漏れか。編集者は虫好きじゃないと思う。粗が目立つ。
2021/04/16
ぽん
あることに心底集中出来て情熱を燃やせる人は女性だろうが男性だろうがどんな状況だろうが幾つであろうがその道を邁進していく事が出来るんだな。一緒に色彩の溢れたそれぞれの絵を見ながら読みたい、ととても思う。この作者の方はこの昆虫画家が本当に好きなのだなあ。
2015/06/23
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