終戦のローレライ 上
終戦のローレライ 上 / 感想・レビュー
koba
★★★☆☆
2015/02/23
ともくん
福井晴敏の物語は、物語の核に入るまでが長い。 だが、それを辛抱した先に待ってる物語に一気に引きずり込まれる。 本書は、戦争ものというよりは、ファンタジーと言った方がいいかもしれない。 しかし、文章をもっとシンプルにすれば、1/3くらいの長さにできるのではないだろうかというくらいにくどい文章。
2019/10/20
名古屋ケムンパス
壮大な戦争ファンタジーです。でも単にエンターテイメントに終わっているわけではありません。明らかな敗戦を受け入れられず彷徨う太平洋戦争終盤の日本海軍の戦利潜水艦の行動がリアリティをもって描き出されます。緻密に練られた物語展開は頗る巧妙です。“ローレライ”と呼ばれた特殊潜航艇の実態の大胆さに驚きを禁じることはできず、ナチスドイツに纏わる負の記憶が戦争の悲劇性を浮き彫りにしてゆきます。艦長が呟く「至誠に悖るなかりしか」の言葉が読者に投げかけられるようで重く重く心に響き渡ります。
2017/01/15
chiru
ドイツの秘密兵器「ローレライ」を追いかける米軍艦隊。陰謀に巻き込まれる日本海軍。上巻では『秘密兵器』の正体がメイン。★4
2017/12/12
紫陽花と雨
「それほど遠くない昔 まだこの国が“戦争”を忘れていなかった頃」史実を織り交ぜた話。第二次世界大戦末期の日本、とある理由からドイツの特殊兵器の回収という極秘任務を受け、敵潜水艦の待ち受ける海域向かう寄せ集め隊員達の乗る潜水艦『伊507』潜水艦の閉塞空間、周りの見えない深い闇の海の底。彼らの緊迫した闘いに、読んでいるこちらまで息苦しくなるようでした。各登場人物の背景にも深く潜るので、上巻だけでもかなりの浸透率で心に迫ります。上巻終了時点で、作中は7月30日ーカウントダウンの針の音が聞こえるよう…下巻へ続く。
2018/08/13
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