忠臣蔵釣客伝
忠臣蔵釣客伝 / 感想・レビュー
タツ フカガワ
津軽采女は釣り好きの大身旗本。一時は将軍綱吉の側小姓を務めたが、わけあって致仕。妻は吉良上野介の娘あぐりで、同い年の学友には同じ阿久利という妻を持つ赤穂藩主の浅野内匠頭がいる。その津軽采女を通して描かれる、従来とは真逆の忠臣蔵。妖刀村正の祟り、高僧隆光と側用人柳沢吉保との確執、切腹した赤穂浪士全員の法名に「刃」と「剣」が入る不気味な事実から見えてくるもう一つの忠臣蔵、面白く読了しました。
2024/08/14
スミタ
吉良側から見た忠臣蔵。 おすすめ。
2010/03/20
Jeanie
夢枕氏が紹介していたこともあり、こってりした時代小説かと思いきや、あれま、ミステリ。歴史音痴には、この二冊の吉良と浅野は新鮮でおもしろかった。あぐり×3という縁、妖刀、綱吉、隆光vs柳沢などの要素がからまっているけれど、釆女を主人公としたからのタイトルであって、物語の核は刀に偏っていたような。同じ時代の小説をいくつか読むというのもなかなかオツ。仇討ちが美談になることには、判官びいきだけなお国柄、物語上での柳沢の陰謀だけではなく、なにやら儒教の影響が色濃い当時の日本にもあるように考えた。
2012/01/24
3104
夢枕獏の『大江戸釣客伝』に紹介されていたので読んでみると、なるほどこれは・・・ 切り口は違えど、テーマは同じ。こちらのほうが当時の政治的動向との連関が強く描かれている。ミステリ要素もあってなかなか読み応えのある面白い作品だった。
2011/12/06
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