新・考えるヒント
新・考えるヒント / 感想・レビュー
双海(ふたみ)
「表象は反射である。反射は思惟ではない」・・・なんという勁い言葉だろう。確信から発せられた言葉。その確信は常識から出発した強靭な思惟に支えられている。「私が言葉を語っているのではなく、言葉が私を語っているのだと気がつく瞬間というのは、人間にとって、少なからぬ驚きである」・・・まさしく驚きである。考えるということは生きることだということに深く思いを致す。
2016/01/15
里愛乍
本書は小林秀雄「考えるヒント」の解説書なんかでは決してない。確かに引用されている箇所はあり、それについて著者の考えを述べてはいるものの、その箇所をなぞって言い換えているのではなく、あくまでも著者の言葉であり、それが見事融合されている。実際、彼女の言葉は彼女の他の著作でも、再三述べていることであって、まったくもってブレがない。「言葉はそれ自体が価値である」「わからないことを自分のわかるようにわかって一体何をわかったというのか」そう言いきる彼女には、いつもながら清々しい気持ちにさせられます。
2015/07/27
史
小林秀雄を軸においた、言葉や文章や考えることについて。
2023/04/15
ジョンノレン
事前に著者の言葉をピックアップした本と著者をテーマとした本を読んで興味を持ち、この本を手にしました。小林秀雄のトーンに平仄を合わせたのでしょうか、異様に攻撃的なな表現が多く、そういった箇所を読み飛ばし、コア部分を探すも、それらも難解でストレスフルでした。 で、1日置いて再度読み始めたところ、この本は一度読んでどうこうではなく、時々思い出したように、気になる箇所を味わう様に読む本かなと思えて来た。そう言えば小林秀雄の作品もそんな風に味わっていたかも知れません。
2022/02/08
ゆき
言い回しが、本の池田さんの軽いタッチのモノと比べると難解でが、小林秀雄さんと一体になって綴ったのだと思うとそんなに軽くわかるわけがないかと考えるのをあきらめそうになる。きっとそんなことを望んではいないんだろうけれど。
2017/04/08
感想・レビューをもっと見る