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生まれる森

生まれる森

生まれる森

作家
島本理生
出版社
講談社
発売日
2004-01-29
ISBN
9784062122061
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生まれる森 / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

サラッと読了です。ホント、色んなネタで次々とよく作品を書ける方だなぁと改めて尊敬します。ここ最近、とりつかれたように立て続けに読んでますが、どの作品にも大体主人公をサポートするインパクトキャラがいるようで、今回もなかなかナイスなキャラが物語を温めてくれています。逆にそういうキャラを登場させることで、主人公が少しぐらい?面倒なキャラでも物語は進んでいくんでしょうね。今作も過去にちょっとワケありな主人公が、どこかつかみどころのない感じで、淡々と展開していきます。ボリュームが少ないのでインパクトも控えめでした。

2016/09/19

misa*

ああ、島本さんらしいなと感じた一冊。やはりこの方は、距離感を絶妙に描きますね。本当の想いなんてきっと誰にも分からないだろうけど、確かに胸の中にあった熱い想いを、もう会えない現実からどうやったら前向きに忘れられるのか。痛いほど矛盾した感情があらわれていたと思う。報われない恋。曖昧な関係。ギリギリのラインで揺れ動く作品って、島本さんらしさなんだよなーって思う。

2017/11/12

あつひめ

丁寧に「気持ち」を扱っている気がしました。私も一人っ子。兄弟や姉妹のかかわりが想像できない。きっと、兄弟のいる人は一人っ子の孤独がものすごく深い闇のように見えるかもしれない。誰かに自分の心の明かし方がわからないのも一人っ子の特徴かなぁと主人公を眺めながら自分と重ねてしまった。痛みは時と共に薄れるとも限らない。いつの間にか慢性化してしまうこともあるし・・・それを気遣う「誰か」が居てくれたら、痛みが起こりそうなときさすってくれたら、いつかは薄くなっていく。出来事は消えないけど、新しい出来事で出番が減っていく。

2012/05/03

輪郭のない、靄のかかった霧の中を、目を閉じて香っているような。恋愛と一口に言っても、形は様々で.... 熱い恋、苦い恋、辛い恋、どれも恋。近づくと壊れてしまう恋をしていた、野田ちゃん。キクちゃん家族と触れ合うかことで、今までの少女を捨て、大人になる。島本さんの書く男性、女性にひどく惹かれるのは、私が壊れているから?どこか現実と離れ、冷たい空気を纏う彼等に、届かないが手を伸ばしたい。私も連れていって、その森に。明日壊れたって構わないから。癖になるなぁ、島本さん.... この不安定な世界に、身を埋めていたい。

2011/09/16

Ikutan

傷ついた一人の少女が、少しずつ自分に向き合って前へ踏み出していく物語。不安を抱えた相手を救いたいと思うこと、真っ直ぐな彼女の気持ちは読んでいてちょっと辛くなる。もっと力を抜いたらいいのに、と。そんな彼女に絶妙な距離で声をかけてくれる友人、キクちゃんの存在がいいですね。淡々と綴りながら少女の心の揺れを丁寧に描いた島本さんらしい作品。次作品のナラタージュに繋がっていく感じかな。ミヒャエル・ゾーヴァの装画がとっても素敵。

2015/06/03

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