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魍魎の匣

魍魎の匣

魍魎の匣

作家
京極夏彦
出版社
講談社
発売日
2004-01-01
ISBN
9784062122542
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魍魎の匣 / 感想・レビュー

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優希

みつしり。この一言に尽きるなと改めて思わされました。匣という世界は彼岸と此岸の境界線のようなものだったのかもしれません。匣に魅せられてこの世を彷徨う男・久保が哀れにすら感じました。数々の事件が全て匣に集約されるからこそ、この物語は美しい均衡を保つようにも思えます。生きているが故に執着する世界があり、それが「匣」という世界であったのですね。外の世界にいることができる人、内なる世界でしか生きられない人、それぞれの想いが交錯し、見事な協奏曲を奏でている作品だと思います。

2017/12/27

勇波

愛蔵版にて再読です。関口君の初単行本出版に際し、掲載順を随分悩んでるとこ。ここ重要だったんですね。京極堂の憑き物落としの作法には順序が命なのです。物語の初めからこの物語のテーマが示されてたんですね。やはりこのシリーズ奥が深い。まだまだ何度でも彼岸の彼方に連れってくれそうです。ただ一つ…、この愛蔵版、いや『匣』本重すぎ★

2017/10/08

ともくん

[再読] 沢山の嘘を吐きながら、いつも真実を叫び続けていた女の物語。 いくつもあった事件の最後の真実は、その事に集約されている。 全ては、ひとりの女の嘘の物語を真実にする為に。 皆が騙されていた。 ただひとり、中禅寺秋彦を除いては。

2021/08/22

maxa

これは凄い。計算し尽くされた緻密で壮大な話に震えがきた。読友さん一推しの京極堂。軽く再読すると伏線だらけなのがよくわかる。この貼り巡らされた伏線の回収も本当凄い。厚みに怯みつつも読んだ甲斐があった。今も「匣の中にみつしり」の言葉が脳裡に浮かぶ。「ほう、」の言葉も耳から離れない。宗教が関わる筥と、自分というものを形作り護る箱、欲望を詰め込む匣…。私はなんちゅう話を読んでしまったんだ。ネタバレになってしまうから、こんなに凄くて酷くて面白いのに何も書けないけど、とにかくバラバラでみつしりで途方もない愛だった。

2021/07/23

テツ

作中の季節に合わせて再読。匣の外側と匣の中身。匣は境界であり軽はずみに中身を覗けばあちら側に連れていかれてしまう。そんな匣の中身に魅せられ操られ右往左往する登場人物たちと、自分は空っぽだけれど匣は外側だけでも有用だと自らを奮い立たせ想い人のために奮闘する木場との対比が好きだ。中禅寺も榎木津もなんだかんだで木場のことを心配し行動しているのも良いな。久々に読みましたが京極面白いなあと再確認。

2017/09/04

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