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eRotica / 感想・レビュー
ケイ
作家によるWebでの小説集。官能をテーマに京極さんが何を書くのかで手にとったが、彼の官能は…。解説にもある『嗤う伊右衛門』のように、官能を描かなくてもぞくっと匂い立つようなお話の方がいい。津山泰水『淫魔季』ブラバンでなくペニスの方の路線。山田正紀『愛の嵐』舞台がシベリア抑留地なのがまる。貫井徳郎『思慕』官能の作家ではないと期待していなかったのに、引き込まれてしまいやられた。官能に釣られてミステリー作家だと忘れていた。我孫子丸武丸『危険な遊び』これも官能でベールをかぶせたミステリー。あとは、斜め読み。
2014/05/12
Satomi
桐野さんが発起人の「官能小説アンソロジー」。貫井さん目当てで手にした一冊♪ホラー!?SF!?純文学!?時代小説!?…多少のエロさはあるが官能小説というカテゴリーとは思えないような、作家さんそれぞれの個性あふれる作品揃い♪貫井さんの「思慕」我孫子さんの「危険な遊び」が良かった!!
2015/04/12
kazu@十五夜読書会
桐野 夏生さんの「村野ミロシリーズ」検索で桐野作品が含まれていて書架に並べてあって連れて帰った本。ミロシリーズと併読した『18禁図書』エロス満載で、淫魔季 津原泰水著. 愛の嵐 山田正紀著. 大首 京極夏彦著. 愛ランド 桐野夏生著(旅先での3人の女性の告白). 思慕 貫井徳郎著. 柘榴 皆川博子著. あの穴 北野勇作著. 危険な遊び 我孫子武丸著・など8編を収録する。
2013/04/20
竹園和明
桐野夏生の「人類の謎であるエロスを、作家は文章によって表現すべき」という呼びかけに賛同した8人による官能アンソロジー作品。「官能」の解釈がそれぞれ微妙に違っておりバリエーション豊富。桐野夏生「愛ランド」は40代の女性の心に潜むインモラルな悦びを巧みな構成で描く。最後の一文でそれを一気に表現する手腕がさすが。直接的な描写なく一作全体で官能を表現した皆川博子「柘榴」は超官能的だ。切なさを伴う官能作品は貫井徳郎「思慕」。規範も体裁も外聞も全て擲ち突っ走らせる魔力。エロスとは謎であり厄介な心の迷走なのだろう。
2023/03/19
藤月はな(灯れ松明の火)
SM、フェラチオ、フェチズム、スカトロ、「雌」と「雄」として認識させる肉塊としての体など盛り込まれているので読むのに体力がかかりました。京極氏の「大首」は「陰摩羅鬼の瑕」で登場した大鷹の肥大した観念である官能と情欲、正常な性に対する己の差で崩壊していく様が「邪魅の雫」へ繋がってしまったと思います。女の露悪的で赤裸々な暴露と裏にぞっとする「愛ランド」(名付けが皮肉)、ミステリー絡みの「思慕」(純愛めいているけど)、「危険な遊び」(・・・呆れた)、静かで隠微な「柘榴」など盛りだくさんで流石に胸焼けしました。
2012/03/01
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