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ブルースノウ・ワルツ

ブルースノウ・ワルツ

ブルースノウ・ワルツ

作家
豊島ミホ
出版社
講談社
発売日
2004-05-13
ISBN
9784062123501
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ブルースノウ・ワルツ / 感想・レビュー

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takaC

豊島ミホが都内某大学に在学中の2004年に発行された本。今では誰もが某大学があの大学だと知ってるね。お、5月12日発行か。オレの36歳2日目だな。

2016/09/18

春が来た

大人になるっていうこと。あの頃を思い出すことはあっても、あの頃の気持ちと同じ温度にはなれない。それはとても怖いことだったのかもしれない。(ブルースノウ・ワルツ) 夜に暗闇の中で、一つだけ見える星を呼ぶ。作り出す空想は現実よりも鮮明に私の記憶の中で生きている。夏の気まぐれな灰色の雲が、波と顔を濡らす。海が朱色に染ったら、鮮やかな色の花びらは水の底に沈んでしまうのかな。もう暗闇で星を呼び出すことはなくなってしまうのかな。記憶の中では、ずっと一緒に歳を重ねていけると思ってた。(グラジオラス)

2019/08/27

おぎわら

今週、秋田に雪を見に行くのでこれを再読。秋田出身でその出身地を舞台だったりモチーフだったりにして多く作品を書いている豊島ミホだが、意外なことに雪の中のシーンは作中に少ない。その中でこの作品は、秋田が舞台ではない(と思う)が、タイトルにもある通り雪がモチーフ。数少ない雪のシーンを、やはり豊島はうまく書く。雪の匂いというものを現地で感じてきたい。そして、この作品、やはり良い。小説としてしみじみと良い。グラジオラスも、夏の物語だが秋田だ。文のリズムが良い。あの田圃の風景を思い浮かべるときりおがそこにいるようだ。

2018/02/05

すきま風

再読。豊島ミホ、と言えば地味な高校生の青春を描くイメージが強い。勿論大好きな作家なんだけど、初期の頃は表題作のような、こういう小説も書いていたのだなあと、単純な驚きがある。しかし、意外とこれも悪くない。今の豊島さんがもしこういう小説を書いたら、どんな風に化けるんだろう。ユキと楓の、最後の二人のシーンが秀逸。

2013/05/13

桜もち 太郎

「わたしは子どもなの。綺麗ぶってると言われたって、大人になりたくないんだよ」楓は13才、父親は野生児ユキの研究をしているお嬢様。すでに年下11才藤という婚約者がいる。楓が子どもから大人の扉をあける微妙な年齢。退屈な母親への反発と嫌悪感、成長しないユキへの憧れが楓の心を覆う。大人になんかなりたくない。母親のようにはなりたくない。作者が22才のときの作品で数年後には筆を置いている。幼い頃タイムカプセルに入れた将来の夢である漫画家を目指しているのかな。でも幼い自分への返事が「バ~カ」とは。さすがです。

2024/08/06

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