網野善彦を継ぐ。
網野善彦を継ぐ。 / 感想・レビュー
市井吉平
■2004年に歴史学者網野善彦氏が亡くなれてからほどなくしてされた人類学者・哲学者?の中沢新一氏と民俗学者の赤坂憲雄氏による対談。網野善彦氏が取り組んだことを引き継ごうという対談。 ■印象に残ったのは、網野善彦氏が民俗学の知見も取り入れながら日本社会の歴史というか成り立ちみたいなものを深いところから探ろうとしたようだということ。 ■今、網野氏の著書にも少し手を伸ばし始めているが、その世界に触れてみたい。
2021/08/04
Mentyu
歴史学における実証についての話が興味深かった。史料上に記載があることだけを述べるのが実証主義であるという見解に対し、そこに書かれなかった(書くことができなかった)事象についても実証主義で立ち向かうという網野の姿勢は勇気のいることだったと思う。石母田正が『中世的世界の形成』で述べた歴史学の想像力についての話と通ずるものがある。
2016/12/27
まのん
網野さんの個人史を辿りながら追悼するつくり。「秀才は駄目だ」「現実というのは、いつも理解に抗うもので、理解されたものを否定していく力が強烈にはたらいている。この強烈にはたらいているものを、論理のなかに引き出してこない限り、マルクスのやったようなやり方で歴史を理解したことにはならない」
2014/01/09
いちはじめ
故・網野善彦についての対談。赤坂憲雄はわりと好きなのだけど、網野善彦絡みだと、どうしてこうもつまんないのか?
2004/07/27
宮崎太郎(たろう屋)
互いに孤独な歴史学者と民俗学者だという二人が師のようにその考えに触れていた網野善彦さんを継いでいくという意志のもと語り合った対談。歴史学と民俗学をかけ合わせるあり方がとても自然に思えました。朝鮮半島から見えるものが歴史学と民俗学をより広げていく可能性があるというのが楽しみ。
2022/08/02
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