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ランドマーク

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作家
吉田修一
出版社
講談社
発売日
2004-07-16
ISBN
9784062124829
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ランドマーク / 感想・レビュー

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chimako

吉田修一は大好きな作家である。が、『アンジュと頭獅王』の時と同じようにこれは良く分からなかった。大宮の捻れたビルの設計士と建設作業員が主人公。設計士の暮らしは妻と愛人の間で捻れ、作業員はこんな生活が続くことにも苛立たない自分に苛立ち貞操帯をつける。その必然性を全く理解できず、自分の範疇を越えた小説だと理解する。ただ、最後に建設中のその捻れたビルで自死する男性の胸の内を覗いた気がした。

2021/12/11

ちょん

犬飼と隼人の話が同時に進んでいく。どちらも崩壊へのカウントダウンのような気がして、ハラハラしていたが。誰しも何かに怯えて生きているような、ぼんやりとした危惧を抱えながら読み終えた。

2016/01/05

Satomi

大宮に建設中の地上35階のランドマークタワー。フロアがねじれながら螺旋を描く、不思議な設計。設計士の犬飼と鉄筋工の隼人。同じビルの建設に携わりながから決して交わることのない二人。ビルのねじれになぞらうようにどこか少しづつ常軌を逸していく…。深い。深すぎて私の理解力ではカバーしきれない…。私が青春時代を過ごした街と隣接する大宮。街並みが懐かしく思い出される。なんでもある…けど何かが欠如している…ねじれたビルを建設するに相応しい街!!??

2014/09/26

のり

O-miyaスパイラル建設に携わる隼人と犬飼。いつか接点をもつものと思っていたが…最初から最後まで何を言いたかったのかが解らず不完全燃焼。男の貞操帯。着けるのも、こだわるのも意味不明。犬飼の不倫に対し妻もそうなのかと思いきや…ただ一つ、一級建築士の合格代一号が田中角栄と知り得た事が救い?だった。

2016/01/10

うーちゃん

誰もが無関心。不穏な歪みは、すぐそこにあるのに。現代社会のある種病理的な一面を切り取った小説。駅から吐き出される人、街を行き交う人。喧騒が聞こえてくるようだ。でも、誰も何も聞いていないし、聴こえていない。聞こえているようで、主人公の声すら、読者には届かない。この突き放しが良いです。建設中のスパイラルビルのねじれて不安定な構造をくどいほど説明するラストは、いかにも「現代社会の縮図ですよー、気付いてねー」という感じがしてイヤだが、「パレード」同様、ふと気付けばそこにある闇(病み)を描いた小説として面白かった。

2016/01/26

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