KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

袋小路の男

袋小路の男

袋小路の男

作家
絲山秋子
出版社
講談社
発売日
2004-10-28
ISBN
9784062126182
amazonで購入する

袋小路の男 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

おくちゃん🍎柳緑花紅

やっぱり絲山秋子さんは良いですね~。「袋小路の男」「小田切孝の言い分」は対のお話し。届きそうで届かない、もしかしたら届いてる、でもやっぱり届かない。この微妙な距離感♪指一本触れないままの両思い!!「アーリオオーリオ」リアルタイムではない、手紙が届くまでの三日間のタイムラグがまた良い。どちらも距離感が絶妙!!とても良い読後感。

2015/02/06

優希

連作2作品と短編が1作品おさめられています。『袋小路の男』『小田切孝の言い分』はそれぞれ女性目線と男性目線で描く指一本触れない両想いという関係が不思議でした。同じ時間を過ごす2人の穏やかな雰囲気があります。届きそうで届かない微妙な距離感があるのでしょう。これは『アーリオ オーリオ』にも通じていました。独身の叔父に心を開いた姪が手紙のやりとりをするのですが、そこには2人にしか存在しない星がありました。届きそうなのに届かない星が。この作品は届かないものをテーマにしているのでしょうね。

2015/04/16

名古屋ケムンパス

湧きあがる情感に浸る時間を過ごすことになりました。心を通わせていると知りつつも決して前のめりになることのない先輩の小田切孝と高校時代から彼に憧れを抱いたまま踏み出せずに遣り過してきた後輩大谷日向子のふたりのその後の姿がひたすら感情を抑えて語られます。互いに相手を追い詰めずにいることで決して離れることのない関係を継続させる息苦しいほどの大人の恋愛を思い知ることになります。

2016/12/31

なる

好き嫌いが極端に分かれる作品かもしれない。どうしようもなく破綻している男を想いつづける自立した女性。恋人とも友人とも呼べないその曖昧な関係性はけれど、なぜだろう、長年寄り添う夫婦のような関係にさえ見える。俯瞰から見れば、ふらふらと暮らすダメ男とずるずる(肉体関係のない)関係を続けている不安定な女、という構図だし、そのふわっとした無責任さは共感を持ちづらい人間性かもしれない。なんだけれど、男性の理由も女性の理由もさりげない会話の中に散りばめられていて、しんしんと積もる。吐き気がするほどロマンチックな恋愛。

2020/07/20

てんちゃん

愛だの恋だのだけでない二人の男女の絶妙な関係。絲山さんの描く男女の関係は本当に良いですよね。作品に勢いもあって読みやすいですし。定期的に無性に読みたくなります。大満足。

2018/08/27

感想・レビューをもっと見る