花畑
花畑 / 感想・レビュー
ときどきドキドキ
ある男が病気の療養も兼ね軽井沢に家を建てることにした。そこに大工と左官職人がちょくちょく仕事に訪れるのだが、その時にタイ人女性たちを連れて来る。繁華街で働いている女性たちだった。まだ20歳をいくらも過ぎていない女性もいる。彼女達は多額の借金をして観光ビザで入国し日本で働いている。職人たちはそんな女性たちにお金を払って時間を作って連れてくるのだった。最初戸惑っていた主人公も若い彼女たちのあどけなさに触れていくうちに徐々に心弾む自分に気づくのだった。この話は外国人の不法就労問題をこちらに問いかけてくる。
2019/09/11
うい子
心臓の病を患って山にやって来た老人と、その周囲を巡る人たちとの交流を描いた作品。タイから出稼ぎにやってくる女たちが、源吉の元で無邪気に暮らす描写が非常に微笑ましく、思わずこちらまで幸福な気持ちになったが、作中で何度も表現されているように、彼女たちは決まった住居を持たない「鳥のような」存在である為、必然的にその幸せな時間は長く続かないことが痛いくらいに分かって辛かった。思い思いに囀る鮮やかな鳥の群れを逃がしてしまった街はただただ寂れてゆくしかない。その対比が読んでいて堪らなく哀しかった。
2011/03/01
snowflake
.....
2017/05/04
ひろし
小説になってるけど、水上先生の体験談だろう。帯に書いてあるように「生、そのもの」だ。何の飾り気もない。『大晦日も正月もひとりでしずかにすごしてみると、当然のことながら、一秒ひとまたぎであることがわかった。べつに変わったことはないのだった。』
2023/04/24
感想・レビューをもっと見る