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授乳

授乳

授乳

作家
村田沙耶香
出版社
講談社
発売日
2005-03-01
ISBN
9784062127943
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授乳 / 感想・レビュー

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おかだ

わっかんねぇ…!そんでタイトル『授乳』って。とりあえず自分の常識とか価値観みたいなものが通用しない世界なんだなっていう感触だった。授乳/コイビト/御伽の部屋の3編。一個一個片付けて行こか…。まず「授乳」。もうなんか当たり屋みたいな話で、草系の青年が哀れだった。あれが授乳だというのか…深いな。『コイビト』はぬいぐるみを恋人にする少女たちの話。ぬいぐるみの中毒性怖し!ライナス症候群みたいな?違うか。『御伽の部屋』、気味悪いわ…なんだろう、言い知れぬ気味悪さ。ほとんどホラー。 クレイジー沙耶香、ここに見参。

2018/08/18

Satomi

スッゴい切れ味!!真梨幸子のグロさとも違う、黒辻村のクロさとも違う女の狂気。切れ味が良すぎて切れていることに気が付かず、しばらくして血がにじみ出し痛みを覚える時と似た感じ。読み終えてしばらくしてジワジワとイヤ~な感じが漂ってくる…。爽やかで優しいホッコリ系が好みの人にはオススメ出来ない…面白い話ではない。けれどこれは間違いなく癖になる。

2015/07/15

りんご

村田さんのデビュー作ですって。あるものを表現する時に、嫌な言い回しをするのが得意な人なんだっけか。今回はそれがすごく私をくすぐりました。「母の顔の奥から、愛想笑いがうじ虫みたいに湧いてくる」好きでもない男と性行為に及ぶ時の、冷静な汚さ、不潔さの描写はあっぱれ。3編ともそれぞれ頭がどうにかなっちゃいそうなお話。最後が好きかな。この人しか私を理解してくれない、と思ってもやっぱり他人だもんね。ズレるところもある。自分のことを完全にわかってくれるのは自分しかいないよ。

2024/11/15

とくけんちょ

さすがというべきか、コンビニ人間の後で読んだので、ベースを見たというべきか。中編三作。表題作からして、タイトルどおりじゃありません。まだ未成熟、つぼみ段階の女性をコワレさせ、読者の反応を見ている。作者の一見、狂気に見せて、実は理性的に狂っている感を出しているのではと疑わずにはいられない。どこまでがマジなの。そんなことどうでもいいか、作品を読んで感じるも感じないも関係ない。あっ、ちょっと感化されてるかな。すべて、計算のうち

2018/08/28

ちさと

デビュー作である表題作「授乳」。数冊しか読んでませんが、村田さんの作品に出てくる女の子はよく似ていますね。さらっと軽やかに軽薄で、異様なまでに歪んだ感性を持っていている。著者は彼女たちに、読者へいろんな価値観を提供させます。その原点がこの作品。健全を嫌悪する思春期の主人公は、家庭教師の男を手なずけて、自分の異常性を保ちます。あれ、コンビニ人間でも主人公は飼い主になってましたね。人はやっぱり1人では正常では居られないというメタファーも含んでいるのでしょうか。

2018/12/19

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