上陸
上陸 / 感想・レビュー
ひねもすのたり
社会の底辺で這いつくばるように生きる三人の男。彼らと深い関わりを持つ不法滞在のイスラム系外国人。 五條瑛さんとこれらの素材を結びつけると和製ハードボイルドっぽい作品をイメージしますが、どちらかといえば生きることを問いかける人間ドラマ的な作品です。不況のさなか建設現場を渡り歩きながら糊口を凌ぐ三人は決して模範的な生き方をしているわけではありませんが、どこかに捨てきれない矜持のようなものを持ち合わせています。捨て鉢ながらも葛藤する姿がよく描けているように思います。やたら汗臭い作品ですがそこがとてもイイです。
2014/05/07
とろ・トロワ
最近ハマっている作家さんです。日本における不法滞在者などのことについての小説が本当にいいです。考えさせられます。この本は、時制が結構ばらばらで読むのにちょっと苦労しました。
2015/07/07
イロ塗り
本の醍醐味を味わう。 本ならでは。。。?
こぽん
不法入国外国人、リストラ、日雇い労働者。社会派な印象だったが、さらっと読めた。きっとそれは金満、安二、アキムの3人のおかげだろう(笑)それぞれの事情から日雇いで金を稼ぐ3人。底辺の生活ながら、彼らのやり取りは生き生きとしていた。生きることは綺麗事じゃないが、辛いだけでもない。彼らを見ていると、そんなふうに思えた。
2012/09/01
キヨ
ミステリ短編集に収められていた「地底に咲く花」が好みだったので読みました。それぞれ理由あって“金がない”日雇い労働者3人の共同生活。大切なものだったり、淀んだ澱だったり、皆なにかを抱え込んで生きている。 しかし、「上陸」を最後に持ってきた理由はちょっとよく掴めない。別に時系列順でもよかったのではなかろうか。
2014/07/12
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