恋愛の解体と北区の滅亡
恋愛の解体と北区の滅亡 / 感想・レビュー
巨峰
表題作。本当にタイトル通りの内容でかえって驚いた。序盤は若い男性の主人公の脳内を垂れ流しにした一種の私小説的な小説かと思ったんだけど、全然違がってしまって驚きました。東京の日常にSF的展開がおりてきて、それを横目にエロい思考にいそしむ主人公が面白いです。おいらもスクール水着は着たくないですw。特におっさんの使用済みは嫌です。人気のない深夜の駐車場での全裸露出は暖かい日ならOKよ(嘘)併録は「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」これも本当にタイトル通りの内容でした。読むのは2作目だけどこの人結構面白いかも。
2019/01/12
まるる
ドラマ「世にも奇妙な物語」の原作が収録されているということと、今住んでいる北区が舞台?になってるので興味をもった。ファナモのストーリーはドラマと全然違うのでビックリ。ドラマってうまいことアレンジするんだな~って思ったわ。原作のままだとドラマにはならなそう。 表題作は、なんていうか主人公の脈絡のない思考を読まされている感じ。SMクラブでの女王様とのやりとりのあたりは面白かった。
2014/12/14
ゆかーん
UFOが池袋のサンシャインに降り立った。そしたら、北区の人間が宇宙人を刺した。怒りに震える宇宙人は、北区へ報復攻撃を開始した。そんな地球最後の日にも関わらず、彼は420円のビニール傘を満足に買うことも出来ずに、劣等感の塊のように生きている。初めて入った風俗店の女性と、上手くことを成すことも出来ないまま、宇宙人のテレビを見ている。誰が救われるわけでもない。誰が満足できるわけでもない。そんな宙ぶらりんの世界が意外と嫌いではない自分がいる(笑)
2015/02/28
きいち
イラク戦争への対し方が印象的だった岡田利規「三月の5日間」がぱっと思い浮かぶ。06年だ、その時なら、大きなことと身近なこと、それがフラットに同じ価値だと示されてることのほうに「そうそう」と思ったろう。日常の出来事に対して脳内会話を繰り返す前半部分は、単にそのフラットな世界を提示するもの、と。でもいまたまたま手に取って読むと、この前半部分が、そんなフラットな場所に強引に陰翳をつけてやろうという意思の表れと思えてしまって、ああ俺もきっとこの流れならスクミズ着ちゃうぞ、と。うん、チャックの毛、真剣に解かねばな。
2015/11/22
メルル
「恋愛の解体と北区の滅亡」なんだかとっても心地よい下らなさ。物凄く頭の中でどうでもいいことを思考している。でも、私も普段ぶらぶらしている時はこんな風。彼の脳内ウジウジも面白い。宇宙人がやってきてもテレ東が通常営業。それはあながちあり得ないことでは無いのかもしれない(笑) 「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」拓哉のトイレを我慢している姿がなぜだか微笑ましく感じる。そう思うと便利な世の中ってちょっと寂しいのかもしれない。
2015/03/18
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