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水曜日のうそ

水曜日のうそ

水曜日のうそ

作家
C. グルニエ
河野万里子
出版社
講談社
発売日
2006-09-26
ISBN
9784062136181
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水曜日のうそ / 感想・レビュー

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kimi

モーツァルトを聴きながらコーヒーを飲んで、自分のおじいちゃんのことを思い出したくなる。おじいちゃんの優しさを。

2016/02/22

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

誰かを「傷つけたくない」という。「思いやりからの嘘は許される」という。15歳の少女イザベルの視点で物語は進む。82歳の祖父は、イザベルの家から歩いて来られる一軒家で独り暮らし。息子であるパパはいつも苛ついていて父子の関係は良好とは言えないが、毎週水曜日に祖父が訪ねてくるのは大切な決まりになっている。ところがパパの仕事の都合で遠くに引っ越す事になった。パパは引越しを祖父に告げず、水曜日だけ元の家に戻って一緒の時間を続けようとするが……。翻訳は『星の王子さま』『カモメに飛ぶことを教えた猫』の河野万里子さん。

2015/12/30

mocha

毎週水曜日はおじいちゃんが訪ねてくる日。父の仕事のために引越すことになったが、おじいちゃんには言い出せない。そこで一家が取った方策は…。祖父と孫娘、そのボーイフレンドの間柄がとても微笑ましい。一方で父は、祖父が心配なのに疎ましくもあり、大切なのに邪険にしてしまう。年老いた親を持つと悲しいけれど共感できる。現実的でないウソと、リアルな心理描写。独りで生きることを貫いたおじいちゃんに美学を感じた。

2021/03/04

あじ

父親の仕事の都合で、遠くへ引っ越す事になった一家。浮上した問題はひとつ。毎週水曜に決まって訪ねてくる祖父に、事実を伝えずあたかも“ここに住んでいます”と猿芝居を打つことだった─。家族間の重要な決断を、娘と共有することなく押し通してきた両親。相手を重んじているつもりの不誠実が、深い爪痕を残すことになろうとは。残骸をかき集め途方に暮れる経験は、歳を重ねる程に厚くなっていくのかもしれない。悲しいことだけれど…。

2018/02/11

白のヒメ

お互いがお互いを思いやるばかりに、各々の本心を隠して無理を通して我慢する。そのすれ違いがやがて、取り返しのつかないことにならないと、お互いの本心に気が付けないのが人間のサガなのかもしれない。生活の雑事に飲み込まれ目先の忙しさに心がささくれ立っていると、情の訴えは後回しになってしまう。それは相手がいつもそこにいてくれると慢心しているからの他ならないのだけれど。人は自分を含め必ず死ぬ。やはりいつも念頭に置いて生きるということが必要なんだろうな。

2018/01/10

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