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獣の奏者 II 王獣編

獣の奏者 II 王獣編

獣の奏者 II 王獣編

作家
上橋菜穂子
出版社
講談社
発売日
2006-11-21
ISBN
9784062137010
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獣の奏者 II 王獣編 / 感想・レビュー

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kaizen@名古屋de朝活読書会

「卒舎ノ試し」つまり卒業試験で、主席になるエリン。 ユーヤンとの別れ。 師のエセルとともに教える。 育てていたリランとエクに子供が。 祝ってかけつける真王ハルミヤが殺害される。 真相を知っているイアルが傷をおってエリンのもとへ。 話は回り回って大団円。 獣に傷つけられるエリン。 裏切りに合う次の王セイミヤ。 悲しみを超えて、次の世代にひきつぐ。 文庫版では、なぜこの完結した2作にさらに2作が加わったかが、アニメ化のための打ち合わせによるとのこと。 アニメによる原作者を入れた改変にも興味が。

2014/04/06

nyanco

師・エソラの忠告を聞き入れることなく笛を使わずにリランを育てるエリン。しかし気の緩みからリランに襲われ指を失う。ここが凄い!児童書でありながら、きちんと描く作者の姿勢が見事。リランに笛は吹かないと決めていたが笛を用いざるを得なくなったエリンとリランの間には微妙な距離が生まれる。リランとの距離は埋めようがないと思っていたエリンの窮地、もう己の死を覚悟したエリンのところに戻ってきたリラン。胸がギュッときました。(続)

2010/01/14

ちはや@灯れ松明の火

古の咎無き民が流した血溜まりの上に歴史は描かれた。荒廃と後悔から始まった掟はいつしか形骸化し錆びた鎖となって人々と獣を縛りつける。肉親の縁薄い少女はその孤独の分だけ心囚われることなく世界を識ることができた。虚飾の平穏は剥がれ落ち、愚かで狡猾な欲望が姿を現す。其処に神聖さと穢れの境界など最早ない。少女と心身傷ついた幼獣は出逢い、巡る年月を寄り添い生きる。互いの間に在るのは単純な愛情と信頼だけではなく、相反するような負の感情が複雑に絡み合う。だからこそその絆は強固で断ち切り難いのだろう。

2009/12/25

にく

リランがエリンを助けるために戻ってきたシーンでは、感無量というか、胸が熱くなったというか、じんわりと感動がしみ渡るというか、もーーいっぱいいっぱいになった。先人の知恵をかりることなく、自分の力だけで王獣と向かい合うエリンには、正しいとか間違ってるとか断じることはできない。その信念の強さにも心打たれる。

2010/08/27

ゲンショウ

私は、あなたを知りたい。あなたが私を知らなくてもいい…。彼の民が隠しき知…彼の子が白日に…。人は、知ってしまった事を使わずには居られない。そして…君も、その知識を使う…それが、最善と信じ、決断する。人は、矛盾を孕む生き物。…いや、命は矛盾。矛盾は、牙を剥き理解を拒む。でも、その矛盾故の奇跡が在ると…その獣は、慈しむ様に、その顎に君を挟み天空に舞い上がる。嗚呼…細く拙い絆でも、それは在ると信じたい。…知りたくて、知りたくて。ただ、あなたの事が知りたくて…。

2014/04/30

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