パリでひとりぼっち
パリでひとりぼっち / 感想・レビュー
ごへいもち
読みやすく面白かった。小説としての感動はないが20世紀はじめのパリ案内(決して観光客が目にしないような場所や事情がわかって楽しかった)
2011/07/22
utataneneko
20世紀初頭のパリの街に、一人の日本人学生がほとんどお金も持たずに放り出されてしまった…という設定で語られる小説。安宿の並ぶあやしげな街路や城壁の外の「ゾーン」などのスラム街、市場のレ・アールなど、パリのもつ別の一面が生き生きと描かれている。革命記念日のお祭りの中でも働かねばならない労働者や、それ以下の仕事もなく家もない貧しい人々が、悲惨な状況の中でもたくましく生きる姿が印象的。久しぶりにまたバルザックやゾラなどの小説を読んでみたくなった。
2013/05/21
まる子。
親からの仕送りが途絶え、連絡もつかなくて学校を追い出されたコマキくん。留学先のパリでいきなり、宿無し・職なしの1人ぼっちになってしまった彼が、日雇い労働をしたり、安宿(と呼べるのかどうか…)に泊まったりしながら必死で生き抜こうと奔走するお話。これまで生きてきた社会の外側や、華やかなイメージの裏側にあるパリという街を知ることのできる本。 コマキ君の丁寧な語り口調がとても良かったです。いい育ちってのは一つの財産だから大切にしなさい。というヴァレナフさんの言葉が印象的でした。
2013/11/01
まいける25
パリの華やかな描写はほとんど印象に残りません。スラム街とも言えるほどさびれた下町の生活を、とてもリアルに映し出した物語。ホームレスの生活をしながらも、前向きな少年の生き方に感心しました。そして優しい。とてもおもしろく読めました。
マー坊
1912年パリのアンリ四世校の寄宿舎を追い出された日本人少年の短くも濃い暮らし。お金はなくその日その日をどうにか生きる中でも他者への思いやりと自律心にあふれた主人公は様々な人に助けられて生きていく。
2015/05/01
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