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円朝芝居噺 夫婦幽霊

円朝芝居噺 夫婦幽霊

円朝芝居噺 夫婦幽霊

作家
辻原登
菊地信義
出版社
講談社
発売日
2007-03-21
ISBN
9784062138055
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円朝芝居噺 夫婦幽霊 / 感想・レビュー

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tom

たぶん、すべてウソ話。でも、とても面白い。著者が書いた「遊動亭円木」が楽しかったので借りてきたのだけど、この本も楽しく読了。古書店から連絡を受けて、もしやと思って購入した反故の山。「もしや」が的中して円朝が書いた廓話の速記録だと判明する。ほとんど廃れてしまった速記技術だけど、なんとか伝手を頼って翻訳したのがこの物語という設定。翻訳話は、目の前で語りかけてくれる風情で読んでいて楽しい。そして、その成立の背景の推理、これも楽しい。辻原さん、ほとんど読んだことのない人だけど、気になり始めたのでした(笑)。

2022/07/17

horuso

圓朝の芝居噺の速記本発見という発端に続き、その「夫婦幽霊」、最後に種明かしという構成は面白いし、これを書くには相当の力量が必要なのは認める。だが、噺のレベルが圓朝には及ばないように感じるのと、何より最後が残念。単なる種明かしになってしまっている。謎を解決する過程をじっくり描いて、夫婦幽霊の間に挟んでいくことで、より重厚な小説になったと思う。種明かしだけだと、犯人像に納得はできても、感心はできない。本書が歴史的事実を記したノンフィクションだと読者を騙し、原稿を借りに来る学者がいるほどのできであったなら。

2017/08/29

EnJoeToh

素晴らしかった。

2010/07/01

nbhd

口語→速記→翻訳→小説と、日本語の中だけでおこなわれる作業には、だいぶねじれているけど、スリルがあった。よくできた虚構で気持ちがいい。作家は、何をもって、この虚構をつくりたい気持ちになるのか、知れない。

2012/11/30

冬薔薇

円朝の未発表の「夫婦幽霊」が見つかったとしてこの田鎖式の速記を翻訳していく。安政の大地震から関東大震災の68年間の物語も、この短い本の中に安政、明治、大正、昭和、平成と時代が流れているのも面白い。それにしても速記が無くなっていくのは惜しい。

2016/03/22

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