色と空のあわいで
色と空のあわいで / 感想・レビュー
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「生きながらの生前。この過去、死者たちの民主主義ですか……無数の死者たちの生前の目、あるいは無数の死者たちのことを思うときに生者も分かち持つ生前の目、これが小説の現在だと思うんです。それできちんと振る舞えるかどうかの問題です。振る舞えれば苦労はないんです」(87ページ。古井由吉)
2019/08/17
龍國竣/リュウゴク
古井氏の言葉は、深いところから浮かび上がる。それを松浦氏が、我々に分かりやすいように頭で思考して応答する。往復書簡はそのような印象だ。言葉の持つ音声、それに対するテレビの普及によるイメージの氾濫。文学論に留まらず、私達の生活に話は及ぶ。古井氏のフランス文学は法廷から展開し、ドイツ文学は説教を基礎とするという指摘は見事。
2013/03/23
山がち
私は間違いなく、キーボードを打って育ってきた世代で、その上、人一倍キーボードに慣れているという状態でもある。そういった私と、古井さんや松浦さんとの言葉に対する認識の違いを探ってみようとするのだけれども、なかなか難しい。もっとも、古井さんや松浦さんの世代でも、これほどの認識や思考ができるというのはそうないことのようにも思うのだけれども。ともかく、私が読んでいる小説などの文章から、その言葉や気韻といったものが、もし見えてきたら、この本に書かれた言葉の意味が少しは見えてくるのだろうか、と希望だけは持っていたい。
2013/12/08
あかり
ちょっと難しかったか?奥さん(対面朗読の相手の方)は途中でギブアップ。
2008/01/21
manmachine
無内容。
2009/02/13
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