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遭難、

遭難、

遭難、

作家
本谷有希子
出版社
講談社
発売日
2007-05-16
ISBN
9784062140744
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遭難、 / 感想・レビュー

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あも

「劇団、本谷有希子」第11回公演にして、鶴屋南北戯曲賞受賞作。登場人物はたった5人。まぁ、彼女の話は戯曲も小説も登場人物少ない。視野狭窄起こしてるような人ばっかりだからしょうがないのかもしれないけど。舞台は高校の職員室。出てくる5人のうち4人は教師。後の1人が自殺未遂を起こした生徒の母親。この人たちがドタバタと言い合い暴れるブラック全開なコメディ。で、主人公の美人で人気者な里見先生の造詣が素晴らしい。戯曲が面白いのか、本谷さんがいいのか、舞台が浮かぶよう。まるで劇を見ているかのように狭い職員室で遭難した。

2011/11/22

竹園和明

演劇の台本そのままの戯曲本。150頁の薄い本だが、本谷有希子の猛毒が濃密!。厭な人間ばかり登場する。舞台は学校の職員室(の分室)。自殺未遂をした生徒の母親が怒鳴り込んで来た場面からスタートする。助けを求め先生に手紙を書いた生徒だったが、担任の女教師は受け取っていないと。その担任を妙に庇う別な女教師。実はその女教師こそ…!。聖職者と言われる教師達が実は皆利己的で、居直る変わり身の早いこと😄。性格の悪い女を書きたかったという目的は十二分に達せられ、混乱の中に遭難する姿が滑稽で哀れ。本谷有希子にハズレなし!。

2022/06/30

YM

本谷本10冊目★ついに戯曲に手を出した!実際は約2時間のお芝居らしく、映像は脳内補完しながら。本谷さんて、人に触れられたく無いような、本音より建前みたいなとこを、ちょんちょんつついてきて、「いーじゃんそんなの。わかってるよ。もっと素直に生きようよー。楽になるよー。」って言ってる気がする。ストーリーはシリアスだけど、舞台で見るときっと客席笑ってるんだろうな。公演みてみたい。さあ、11冊目へ。

2014/11/05

亜希

小説ではなく戯曲。本谷さんは人の嫌ーな暗部を描くのが本当に上手く、嫌悪を感じながらもあるあるいるいる、と頷きながら読んでしまうし、登場人物は少ないけれど、それぞれのキャラが立っているので全く退屈しない。英語教師の江國は、江國香織さんのイメージで読みました。本谷さんの戯曲は慣れてくると本当に舞台を観ているかのようにテンポよく楽しめるけれど、その分やっぱり本物の舞台も観たいな、という気持ちも強くなってきます。この作品を舞台で観たら、絶対声出して笑っちゃうだろうな。

2016/04/09

メルト

性格の悪い女教師と、その周囲の人間の闇を描いた戯曲。戯曲はセリフが連なっているだけなんだけど、そのセリフ一つ一つがインパクトが強くて、心地よいドタバタを感じながら読めた。その性格の悪い女は、トラウマが理由でそういう性格になったという設定だけど、途中でトラウマが解けても、それでもトラウマにすがりつこうとする姿にハッとした。(自分もそうしてる面があるから)不幸に寄り添って生きるのが悪いとは言わないけど、依存しすぎることの怖さを知らされた気がした。

2018/07/19

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