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わたくし率イン歯ー、または世界

わたくし率イン歯ー、または世界

わたくし率イン歯ー、または世界

作家
川上未映子
出版社
講談社
発売日
2007-07-01
ISBN
9784062142137
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わたくし率イン歯ー、または世界 / 感想・レビュー

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hiace9000

きた、きた、またこれかいな、何かわからへんけど怒涛の川上未映子率に飲み込まれてもうたるものかと、必死にもがいてみると、なんじゃーこりゃあの、わけのわからん感の砂地に砂まみれに打ち上げられておるのやったから、もうこれ以上何もしたらあかん。あかんからこそ「わたくし」とは「歯」なんやろかと、青木も三年子もなんやねん、ようさんしゃべりなや、考えたら負けや思ってわたくしの言葉に流されてしまおうと思ってる私! それがそれじたいであるだけでいい、主語のない雪国のはじまりか、思う、そうなんか。世界なんか、宇宙なんか、それ

2024/02/25

人間万事塞翁が馬ZAWAZAWA

 独特の文体、伝わってくるんですよね「叫び」が! 思いつきで書いているように見せかけているが、よく練られている。  題名もごっつうインパクトあるし、関西弁のテンポのよさが際立っている。好きですね川上さんの世界!

2013/07/12

Y2K☮

8年前に「早稲田文学」で見た際は挫折した。独特の文章が合わないという方は、何か著者のエッセイを先に読んで言葉のチョイスや表現に慣れておくと大分違います。谷崎&町田&安部公房がルーツと思しき、流れる文体と不条理な物語。「ジョジョ」の影もちらほら。社会と接する為の仮面である「わたし」とより本質的な「私」の葛藤。川端康成「雪国」冒頭の美しい一文に主語が無い事から派生する自我への嫌悪。考える脳よりも確固たる奥歯にアイデンティティ。痛みも喜びも悲しみも全て飲み込む奥歯。「奥に当たる」という云い回しから意図は推測可。

2015/10/21

ちさと

芥川賞候補の表題作「わたくし率…」。最後のオチが幻滅したけれどその最後の数ページまでは川上さんらしい、句読点だらけでどんどん感情を爆発させる迫力ある作品でした。意識の中の「私」肉体という入れ物の「わたし」それからその中間に位置する「わたくし」。人間はわたくし率100%で存在していて、混乱しながらもそれがかけがえのないものであることに気がつく主人公が描かれています。うーん「乳と卵」が良すぎて、最後の残念感が残ってしまいました。

2018/12/26

tokkun1002

小説デビュー作。いじめを生々しく描いた「ヘブン」が凄まじく、エッセイでどんな方だろうと様子を見た後、難解と評判の本作を手にした。難解さも特筆すべきですが本作もまた心痛む作品でした。ますます川上さんが心配になります。芥川賞候補も納得。これは受賞作品も読むしかないな。【早稲田大学坪内逍遥奨励賞受賞作品】【池田昌子記念賞受賞作品】

2013/08/26

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