人魚を食べた女
人魚を食べた女 / 感想・レビュー
NADIA
タイトルに惹かれて借り出した作品。高橋留美子『人魚の森』のようなストーリーだろうかと期待。…うん、人魚の肉を食べてしまった女の話には違いないけど、どうにも湿気た雰囲気が気持ち悪い。ヒロインである女は不気味すぎて好きになる要素がゼロだし、語り手の男は精神の不安定さにイライラさせられてこちらも大嫌いなタイプ。その他の登場人物も「なんで?」という不自然な行動をとる人物が多いので物語に入り込めない。ラストもなんだかなあ…。ところで、部屋中に飛び散った血液をホールトマトをぶちまけたとごまかすのも無理があるね(笑)
2024/02/20
うーちゃん
人魚の肉を食べ不死になった女と、その狂気と情念に憑かれた男の物語。男女の歪んだ愛情や そこから生まれる悲哀などが主軸になるものと思っていたが、結構がっつりファンタジーだった。大人向けではあるが、ボリュームの割に物足りなく、印象に残らない。それだったら 大まかな設定だけ持ってくるのではなくて、八百比丘尼伝説そのものの新解釈という形にしたほうが面白そうだ。でも緒方の今後を想像するのは・・確かにコワイ。
2014/09/27
練りようかん
日本から逃げてきた男がポルトガルで出会ったのは25才を100年続けてる女。業の深さがムンムンで関わっちゃだめだよと思うのだが、自分の思う儘に持ってく手管はさすが妖怪レベル。女が売る話の中で聞き手だったはずの男に起こる疑似体験がクセになる展開かと思ったが、物語の風向きを変えた疑惑がなんとも興味を引くもので。確かめるために話の人物にアクセスするとタイムリープもののような楽しさが立ち、前カノも今カノも浮気相手も母も全部同じ女?輪廻、でもちょっと違う混乱と困惑に浸る。ラストのゾワッも安定の域で面白かった。
2024/06/22
そのぼん
人魚の肉を食べれば不老不死になるという伝説をモチーフにして描かれていました。人間関係のドロドロさが読んでいてしんどかったです。
2011/12/01
ゆみねこ
人魚の肉を食べてしまうと、八百年の寿命を得ることが出来ると言う。明治時代の才能豊かで貧しいある女流作家が死の間際に口にしたものは…。25歳から歳を取らない女の哀しさと情念。振り回される男の情けなさ。最後の最後まで恐ろしい、那津・アインダ・夏季・久実。
2011/09/17
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