青銅の悲劇 瀕死の王
青銅の悲劇 瀕死の王 / 感想・レビュー
紅はこべ
忘れていた、この作家の『オイディプス症候群』に苦労したことを。本自体重くて本を持つこと自体苦行でした。評論家の書いた小説って感じだよね。勿論笠井さんは元々実作者でしょうが。元ネタの『Yの悲劇』や『災厄の町』は勿論、時代設定的に『64』や『テロリストのパラソル』など色々他作品も連想した。エピグラフのN・Mってやっぱり彼女のことよね?本格ミステリ好きは突き詰めてゆくとやっぱりメタに行きついちゃう。細部にこだわるのも特徴だ。それにしても笠井さんがガンダムに詳しいとは知らなかったな。
2016/02/24
藤月はな(灯れ松明の火)
「矢吹駆シリーズ日本編、始動」と言いたいのですが駆氏は実質、出てきません。「熾天使の夏」を読んでいてよかったです。「毒物はどのように被害者に渡されたか」という論理が数学的過ぎて頭を抱えることがしばしばありました。しかし、天皇の責任や戦後の恩恵を享受していることへの後ろめたさの左翼活動が内部へ向かわずはいられなかったことなどの考えは興味深いです。昭和の終わりと平成の初めの転換期と今までのシリーズでのナディアの年恰好と中身に違和感がありましたが本当に人騒がせな・・・・。しかし、最初の日記の不穏さが気になります
2012/03/03
takeapple
久しぶりに読んだ笠井潔、しかも矢吹駆シリーズとくれば面白くないわけがない。舞台は昭和から平成へ移り変わる11月から1月。バイバイエンジェルに出ていたモガール嬢がすっかり大人の探偵役で登場。カケルが登場しないけれど、残された謎から、成る程そういうことかと納得。本格ミステリーでありながら、80年代から90年代の流行を取り入れた伝奇小説でもあり、探偵小説論でもあるのは、さすが笠井潔と行ったところか。88年から89年の時代設定で心療内科やSUVはないだろう、精神科とRVだろうと思わず突っ込みたくなるけれど‥
2017/12/18
ふう
とにかく読み終えた自分を褒めてあげたい…(おいおい)。どいつもこいつもマジメくさって推理(論理?)を展開するんだけどそれほど難しい事件かねぇ。ちゃっちゃと解けそうなもんだけど。どう考えてもこれが光GENJIやノルウェイの森や君の瞳に恋してる!と同じ頃の話だとは思えない…。うーん。
2008/09/03
乱読999+α
久々の笠井潔氏作品。「駆シリーズ」なのだが彼は登場しない。謎を解くのはナディア。ミステリーとしては、同じところをグルグルと廻っているだけで理論というよりも理屈の繰り返しで面白味には欠ける。其れよりも日本の戦後の偽書、社会思想史、それにかかわる全共闘の推移、昭和天皇の戦争責任等々多岐に渡る膨大な知識は興味深く読めた。そして探偵小説の虚構、不確実性への追及も面白かった。それにしても話が長く、本は重たい。手が疲れた ( ´艸`)
2022/01/29
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