ロードムービー
ロードムービー / 感想・レビュー
エンブレムT
子供がみつめる、その時の自分にしか見えない風景。時が経てば思い出というフィルターにかけられ、切なく美しいものに変わってしまう風景を、無力感さえ漂わせた痛みでもってそこに留めている。表題作『ロードムービー』にいろんな意味でやられました。イジメによるトシの追い詰められ方がリアルで痛く、ワタルの真摯な応援演説に涙です。一人で迷い泣いている者にとって、横に並んで一緒に歩こうとしてくれる存在の大きさがどれだけのものなのか。たとえ側にいられないとしても、その確かな存在は、自分が前ヘ進むためにそっと背中を押してくれる。
2011/02/22
風眠
小学生から中学生くらいの年齢の子どもたちの日常と事件を描いた短篇集。ものすごいドラマがあるわけでもないし、メッセージ的な何かがあるわけではないのに、どの話もちりちりと痛くて印象に残る。子どもの頃のどうしようもない気持ちとか、どうしても前に進めないもどかしさとか、そういう「子どもの世界」というものを思い出した。『冷たい校舎の時は止まる』のスピンオフ作品だとは知らなかった。この短篇集がどのように繋がっているのか、すごく気になる。
2012/08/20
扉のこちら側
初読。冷たい校舎外伝。大人になるってなんだろう。
2008/10/24
takaC
楽しく読んだのだが、先に読んでおくべき作品があったとは気がつかなかった。どうりで意味不明な内容が散見されたわけだ。あと、トリックっぽい仕掛けは無粋だと思った。
2009/05/11
七色一味
読破。何だろう、3つの中編のどれもが、読んでいてもどかしくて──痒い所に手が届かないというか、融通が利かないというか、真っ直ぐっていうか…。でも、みんな精一杯生きていて、なんだか羨ましく感じてしまうのはなぜなんだろう。
2011/09/08
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