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チェーン・ポイズン (100周年書き下ろし)

チェーン・ポイズン (100周年書き下ろし)

チェーン・ポイズン (100周年書き下ろし)

作家
本多孝好
出版社
講談社
発売日
2008-10-30
ISBN
9784062151306
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チェーン・ポイズン (100周年書き下ろし) / 感想・レビュー

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くろり - しろくろりちよ

「チェーンメールというやつだろう。ひょっとしたらその人は本当に、世界に幸運を配信したつもりでいるのかもしれない。今の私に、そのメールはきつかった。」チェーン・ポイズン。一年間生きたご褒美にもらえる安楽死。"一人分の孤独"。一年間に死ぬ、という時間の中を晴れやかに死に向かって過ごす女性。児童養護施設で自分の未来の姿を想像しえるようになった女性。そのまま死への憧れをつのらせた女性。ミステリとしても、読み物としても最高。

2011/01/20

ミナコ@灯れ松明の火

絡み合う異なる視点で積み重なっていく物語と、終盤にかけて見られる空気の急激な変化に気持ちをぐいぐいと持って行かれる。具体的に約束された「死」があるからこそ、時に晴れやかに生きられた1年。「死」に包括されていたからこその「生」に、生と死が対極のものではないことを思い知らされる。淡々と、軽く書かれているのに残る余韻は横綱級。できるならすべての人が「この世界の未来が愛おしい」と主人公と同じ気持ちが抱ける世界であって欲しい。

2011/04/26

つーこ

死のうとは思わないけど、自殺志願者の女性の気持ちは同世代の私にも心当たりはある。普通に生活していても、ちょっとした心の隙間に孤独や不安は突然忍び込んでくる。誰もかれもが敵に見え、心がトゲトゲして自分が大嫌いになる。そんなタイミングで『楽に死ねる薬があります』なんて誘惑があると、ふっと魔が差すこともあるかも。生きる事に比べると死ぬ事なんて容易い。重くて暗いテーマだったのに、最後の展開に読後感は爽やか!それにしても、『おばちゃん』って・・へこむな〜(´〜`;

2012/09/28

nyanco

死に焦がれる一人の女性の一年間と、その一年後に連続自殺事件を追う週刊誌記者。違う時間を生きる、会ったこともない二人が交錯する。記者の視点から語られるミステリーはやや弱いが、主人公の女性の目線で語られる「生きる」というテーマはとても良かった。この作品はミステリーと捉えないほうが良いように感じます。最初、ややノリにくかったのですが、終盤一気にのめりこみました。私は好きな作品です。

2008/11/13

しろいるか

同時期、同じアルカロイド系毒物の服用で自殺した全く無関係な3人の男女。調査していた週刊誌記者・原田は3人が自殺の要因となった出来事から1年後も経ってから死んでいるという共通点に気付く。なぜ「1年後」なのか。個人的には叙述トリックの完成度には満足がいかなかった。読み返してみても無理がある。トリックがなくとも十分読み応えのあるテーマだと思うのだがどうだろう?1年後に死を決めた人間が、はからずもその過程で生きがいや未来を見出して、誰かの為に力を貸そうと思い始める。おばちゃんの気持ちの変化にエールを送りたくなった

2010/04/25

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