すりばちの底にあるというボタン
すりばちの底にあるというボタン / 感想・レビュー
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すりばち団地の底には、ボタンがあるという。そのボタンを押すと、夢を叶えるとも、団地が沈むとも言われている。その謎に、3人の小学生雪乃と晴人と薫子、薫子の中学生の兄邦彦が挑む。児童小説ならではの繊細さと、あたたかい人情味もある。終盤に向けては、冒険物語のように壮大な空気が流れる。心のいろんな部分に優しく触れてくれた1冊。大島さんの作品は誰も責めない。1人1人の事情と、今どう生きているかを描くのみ。だから、こんな風にやっていこうって、読みながら伸び伸び考えられる。心がちょっぴり柔らかく、自由になれたよ!
2013/09/15
BlueBerry
設定が面白くて読み始めましたが今ひとつ入り込めませんでした。
2013/10/14
ゆみねこ
都会の片隅のどこかにある、すりばち団地。すりばち状の地形を利用してつくられた団地は、かつてのにぎわいを失いつつあったけれど、「すり活」なる団地活性委員たちの活躍で新しく若い住人たちも増えて来た。そのすりばち団地に伝わる都市伝説のような「ボタン」をめぐって少年少女たちが動く。結末はあっさりしていたけれど、読みやすくて団地の光景が目に浮かぶ。好きなお話。
2012/09/04
みなみ
面白かった。題名が秀逸!雰囲気も素敵。綺麗なままのリサイクル本で前情報無しに読めて良かったが絶版で残念…四人の子供達(小五の男子一人と女子二人+中一の男子)が主人公。団地の真ん中にあるという秘密のボタンを巡る、団地の人達の物語。周りの大人も魅力的。合気道師範の祖父が語る、人生やボタンについての考え方も良かった。人生を生きる事には子供も大人も大変さがあるけどそれに誠実に優しく向き合う話で好き。今の子だと設定が1〜2歳下の方が自然かな。装丁がシックで素敵だが小三には響かなそう…そもそもYAの棚にあったし。
2019/12/01
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
読んでいるこちらにまで軽やかな足音が聞こえてきそうなリズム感ある文章。すっかり寂れてしまった団地に活気を取り戻そうと、頑張る「すり活」の人たち。結末に若干の不満はあるけれど、全体的にはよかった。★★★
2009/06/01
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