KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

風の中のマリア

風の中のマリア

風の中のマリア

作家
百田尚樹
出版社
講談社
発売日
2009-03-04
ISBN
9784062153645
amazonで購入する

風の中のマリア / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

takaC

「蟪姑春秋を識らず」ならぬ「ヴェスパ春秋を識らず」であるが、その短期間に濃度ギッシリで生と任務を全うするワーカーの一生をよくぞここまでビビッドに描いたものだ。感心。しかし、名前は皆さん何故にゲルマン系?

2011/09/26

おしゃべりメガネ

スズメバチの一生をひたすら、淡々と描いています。あたかも人間の世界のように、あらゆる目線、そして感情を克明に書くことで、「蜂」の世界であることすら忘れてしまいます。しかし昆虫が苦手な方は、少しキビしいかもしれません。蜂の、とにかくボロボロになるまで戦い抜く、その生涯に目を覆いたくなるキモチになります。‘戦い、そして生きぬき、さらに生き延びること’をストレートに書き上げ、読書を引き込んでくれます。蜂の世界ながら感動も間違いなくありますが、それ以上に言葉では言い表せないキモチが読後、必ず訪れることと思います。

2010/07/18

ミナコ@灯れ松明の火

「帝国」のため、自らの身を顧みることなく戦いを続ける勇敢な女戦士。ひたすら戦いに明け暮れる日々の中、戦うためだけにこの世に生を受けた運命に対して疑問を抱いたりしつつも、全ての葛藤を呑み込み、死んでゆくものたちの痛みを受け入れ、小さな幸せに心震わせながら戦い続け、やがて帝国は様変わりをしてゆく。帝国が辿った壮大な運命を、命を繋ぐドラマを、ただただ夢中に読み耽った。そして何よりもすごいのは、この女戦士が蜂だ、ということ。抜群に面白かった!!

2011/12/26

里季

人が物凄く恐れるスズメバチのお話。疾風のマリアというワーカー蜂の強さにまず惹かれてしまった。大きなカマキリとの戦いや、二ホンミツバチの蜂球との一戦に思わず手に力が入る。頑張れマリアたち。でも読み進むうち、マリアが自分や女王蜂やまたオス蜂の運命に気づいていくにつれ、大自然が決めた法則とはいえ、彼女たち彼たちに課された使命に何とも言えない気持ちになってきた。一生恋もせず子供も産むことのできないマリアたちワーカー。それに比べ一生巣の中で産卵し続けて空を飛ぶ自由のない「偉大なる母」の蜂。

2014/05/12

なゆ

スズメバチの話と聞いて、おそるおそる読んでみたら…すごく面白くてびっくり。オオスズメバチの生態というか、ひとつの群れ(巣)の見事な役割分担やシステムがよ~くわかって、為になった。ハチに名前を与え感情を持たせることで、ワーカー(働きハチ)の一生が物語になっている。女王蜂がたった一匹で巣を作り始め、卵を産み育てて一つの帝国(巣)をつくり繁栄させていく様は圧巻。自然の摂理と厳しさ、遺伝子を繋ぐことなどなど、考えさせられることもいっぱい。これからハチ退治するとき、ちょっとためらってしまうかも。

2014/09/19

感想・レビューをもっと見る