ほろびた国の旅
ほろびた国の旅 / 感想・レビュー
とよぽん
1969年に盛光社より出版された著者初の児童文学作品であり、2009年講談社が復刻したもの。日本人入植者の子供として、幼少期を満州で過ごした三木さん。終戦時は10歳。 昭和18年の満州にタイムスリップした「ぼく」が見たもの、感じたこと・・・。若き日の父との会話は、親の愛情と葛藤を「ぼく」が垣間見た緊張感のある場面だった。全編を通して、全ての子供の自由と平等を希求する三木さんの真剣で熱い気迫を感じた。
2020/10/25
サワ
誰も幸せになれなかった国…満州国。みんながもっともっとしあわせになれる国だったなら、滅ばなかったろうに。誰かを不幸にして自分がしあわせになるのでは、自分まで不幸になってしまうんじゃないでしょうか。
2021/02/17
バジルの葉っぱ
戦争を体験した世代の方たちが高齢になってきており、今の子供たちは、戦争のむごさについて直接語ってもらえる機会がなくなりつつある。せめて本書のように、その体験をわかりやすい言葉で伝えてくれる本を、子供たちに手渡せることだけでも救いだと思うべきなのでしょう…。私たちは、私たちがしたことを、けして忘れてはならないのです。
2010/06/29
ミュンヘン
満州という国はなんだったのか? 戦後日本に戻った著者の名前そのままの主人公が、満州にタイムスリップしてしまったかのように描かれている本著。無自覚に時代の空気に染まる日本人の子供、穏やかな日々が続くと信じている子供の母親、しかし主人公だけは、その国があと何年かすればなくなってしまうことも、その結果国から脱出することがどんなに苦しく辛いことかも知っている。平和な日々が永遠に続くものでは決してないことを、今こそ子供たちに伝えなければいけないのかもしれない。
2009/12/12
のし
満州国のことが少しだけわかりました。
2018/08/09
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