デパートへ行こう! (100周年書き下ろし)
デパートへ行こう! (100周年書き下ろし) / 感想・レビュー
再び読書
前から表紙に惹かれていた本。新保氏は結構真面目に重いテーマに取り組んだ小説が多かった様に思える。「ホワイトアウト」「奪取」はスペクタクルの冒険小説だったが、今回はユーモラスな視点で閉店後のデパートのドタバタコメディーにほろりとさせる人情を盛り込んだ作品。出来としては微妙と言うべきだろうか?面白く、最後もふわっと纏めてくれたが、期待はスキッと締めて欲しかったのが本音と思う。ただ、可能性は見せてもらえたのでえ、この路線の傑作を期待します。氏の真摯な目線は健在、今後に乞うご期待!
2013/07/01
takaC
着想は面白いのだが、ドタバタ劇のまま終わってしまった。もったいない。
2010/12/08
文庫フリーク@灯れ松明の火
一番印象に残るのは、いぶし銀の職人肌・警備の半田主任ですね。されど巻頭で語られる加治川の境遇が痛くて。何も資格持たず体も十分に動かず、真面目さと人が善いだけの不甲斐ない加治川。明日は我が身、と感じたらリアルに怖いです。色々な人物と背負ったものが絡み合い、ちょっと都合の良すぎるドタバタした印象でしたが、エピローグ娘が駆け付けたベッドの加治川にほっとしました。情けないオヤジだって報われなきゃね。ご都合主義万歳(笑)
2011/07/12
nyanco
様々な理由で鈴善デパートを訪れたメンバーたち。私は最後にさらりと描かれたベテラン警備員のエピソードが好きでした。御曹司が良い人すぎちゃったかな。そのくせ、かつての恋愛にきちんとケジメをつけていなかったところは矛盾してしまう。登場人物が多くなりすぎて、全体的に味が薄まってしまった感じもあり。ドタバタの夜が過ぎれば、全てが丸くおさまって大団円!といった楽しいコメディタッチに仕上げたかったのでしょうが、真保さんにしては、やや物足りないかな。
2009/09/06
しろいるか
不祥事に揺れる老舗のデパート・鈴膳。閉店後の深夜のデパートを舞台に、それぞれの思惑を抱き、複数の人間が暗闇の売り場を行き交う。とにかく登場人物が多く、意図するところや相関関係に頭がごちゃごちゃになり、なかなか物語に入りこめなかった。あれだけこんがらがってドタバタしたのに最後は丸く収まりすぎかな~という気もしたが、ベテラン警備員・半田さんがとてもいい味出してた。鈴膳に対する忠誠心の訳やその顛末にはホロリ。映像化されそうですね、この作品。
2010/05/12
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