綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー 2
綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー 2 / 感想・レビュー
ばりぼー
ネタばらしフリーで存分に語り合う第2弾。第5回、花園大学での公開ライブでは、「イソップ童話」と「二十の扉」が絶妙なスパイスとなって事件に絡む有栖川有栖『黒鳥亭殺人事件』と、テレビの深夜番組での犯人当てドラマを小説化した綾辻行人『意外な犯人』を肴に、司会進行の佳多山大地氏の「作者を超えた読み方」が特筆もの。第6回、都筑道夫『終電車』、ブッツァーティ『なにかが起こった』などのユニークな「選曲」を経て、第7回の連城三紀彦『親愛なるエス君へ』でぶっ飛びます。まったくこの人はなんてものを書くんでしょう…。
2017/11/11
みや
あからさまに提示する陽の伏線、オドロキとナルホドの話が特に興味深かった。意識してみると確かにこれらはトリックそのものだけではなく、作品全体の面白さに多大な影響をもたらしている。公開ライブではお二人の短編を取り上げており、ネタばらしアリでの制作秘話は一段と面白い。二作品とも既読だったが、佳多山大地さんの解釈には唸らされた。ここまで深く作品を読みたい。ディーニ・ブッツァーティ『なにかが起こった』はホラーテイストで、正体の分からない不気味さが大変良かった。まさか宮沢賢治『雨ニモマケズ』が叙述トリックだったとは。
2020/08/11
みなみ
綾辻さんと有栖川さんのお喋りの間に短編が入り、その後に見どころを振り返るラジオのようなミステリ・ジョッキー2作目。お二人の導入があってかなりハードルが上がった後に読む連城三紀彦さんの「親愛なるエス君へ」が衝撃的で面白かった。この方の著作は読んだことがないので、他の作品も読んでみようかな。あとは、読者への挑戦状が入っている作品もあり、自分では解けなかった点はもやもやしたけれど、カタルシスを感じられた。
2022/05/17
みっちゃん
面白かった!全然読んだことのない作者や作品を読む楽しみを存分に味わえた。紹介されている短編がどれもマニアック過ぎなくていい。
2015/10/03
那由多
vol.2はトークの充実度が上がったうえに、ゲストが北村薫さん。公開ライブで司会をされた佳多山さんの、作者を超えた深読みレベルが驚異的。「潜ませる伏線」「見せる伏線」と密かに自分で定義してたものを、「陰の伏線」「陽の伏線」と表現されてスッキリしました。今度からは陰と陽を使わせてもらいます。好きな作家さんの創作スタイルなども知れて、とても美味しく盛り沢山な対談でした。
2019/11/04
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