身をつくし: 清四郎よろづ屋始末
身をつくし: 清四郎よろづ屋始末 / 感想・レビュー
ぶんこ
「甘いもんでもおひとつ」から、田牧さんはお気に入りの作家さんですが、それでも「身をつくし」は、高田郁さんの専売特許と思っていたい高田ファンなので、題名だけが違和感。 実直で誠実なイケメン清四郎さんが、根津の片隅で商うよろづ屋。 持ち込まれる厄介ごと3編。 「おふみの簪」「正直与兵衛」がほのぼのとしていてよかったです。
2014/11/22
藤枝梅安
3編からなる連作短編集。訳あって武士を捨て町人となった清四郎は根津でよろづ屋を営みつつ、持ち込まれる事件をかつての人脈を利用して解決に導く。いずれの事件も市井に生きる人々の優しさと弱さが根底にある。事件解決とともに、清四郎の過去が次第にあぶり出しのように読者に見えてくる。木暮という同心が登場する。どこかで見たような気がしたのだが、あさのあつこさんの「弥勒の月」シリーズ。「弥勒の月」では木暮信次郎と清之助。この作品では木暮涼吾と清四郎、ちょっとカブっている。内容もどこか通ずるところがある。
2011/04/12
ゆみねこ
よろづ屋清四郎、元南町奉行所筆頭与力の彼の元に持ち込まれる様々な困りごと。これ、シリーズ化希望です。田牧さん、期待を裏切らない面白さ!
2014/03/04
藤枝梅安
ちなみに「身をつくし」というタイトルも、高田郁さんの人気シリーズのタイトルを連想させる。町人になっても武士時代を捨てきれない、というのは葉室麟さんの小説を思い出す。最近人気の時代小説のエッセンスを集めて、わかりやすい作品に仕上げてある。
2011/04/12
フキノトウ
ワケありの清四郎にもたらされる、相談事の一つ一つが切なかったり、つい微笑んでしまう位温かかったりして、話の最後の方は毎回涙ぐんでしまった。正直者与兵衛では、必死に清四郎に言われた通りに振る舞おうとする与兵衛の愛嬌溢れる人柄にほっこりしました。
2014/06/01
感想・レビューをもっと見る