キング&クイーン (100周年書き下ろし)
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キング&クイーン (100周年書き下ろし) / 感想・レビュー
海猫
文章が簡易でサクサクと一気に読めたが、内容はすべてにおいて薄い、浅い。SP、チェス、物語の背景にある大事件などそれぞれ扱いが表層的だし人物がこうも描けてないとなればまったくコクのない読み物としかいえない。作品全体の仕掛けも、ただどんでん返しをやるためだけのものになっているのでとても感心できない。しかもトリックとしてフェアじゃないし。「さあ、ゲームの始まりだ」「良い情報と、悪い情報がある」といった洋画ぶったダサい台詞回しにもゲンナリ。退屈はしないけれど正直、陳腐な作品としか思えない。
2015/03/09
ちはや@灯れ松明の火
黒白の相克が創り上げた市松模様の宇宙、永遠に手を伸ばそうと覗き込めば無限に広がる天が見え、また底知れぬ昏い深淵に呑み込まれ悉く魂を喰らわれる。そして彼女が出逢った彼もまた64マスの檻に囚われし者。身を呈して王を護る最強の駒だった女は矜持を見失い自ら盤を降りた、筈だった。辿り着いたのは新たな盤上、不世出の天才と称された王を巡る闘いに駆り出される。ゲームの始まり、見えぬ敵の侵攻、手の先の先を読んで、王の安全を確保、けれどひとつの駒の動きで局面はがらりと表情を変える。描き出された棋譜に浮かぶのは神か、死神か。
2010/10/02
柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
タイトルに見事に騙されました。なるほど、そういう意味だったのね。でも、これって彼女を主人公とする今後の物語のプロローグに過ぎない気がします。というか、彼女の活躍が物足りない。究極の頭脳戦と帯に書いてあるほどの頭脳戦はないですね。それにしても、チェスよりも将棋の方が上だと思うのはやはり日本人のひいき目??
2010/11/28
財布にジャック
元SPの女性やチェスの天才世界チャンピオンという人物像の登場には、興味をそそられたんですが、内容的には最後まで乗り切れずにちょっと残念なことをしました。しかし、書き出しの部分がこういうオチだとはちょっとビックリでした。そして更に、題名のキング&クイーンはなるほど~と感心しました。柳さんには、大好きな「ジョーカー・ゲーム」以上の作品を期待しすぎるあまりついつい辛口コメントになってしまいます。
2011/01/30
nyanco
面白いんだけど…。結城達に比べると、元・女性SPの安奈に魅力を感じない…。アンディの天才バカっぷり、宋蓮花の天然お嬢様っぽさとか今回は抜けキャラを使って楽しい作品を目指したのだろうか…、ミステリー要素はイマイチ…。ガンが使えない日本ではアンジェリーナジョリーみたいなカッコ良く、SPらしい攻防戦もなく…。最後に、あ!そういうことね…という、この伏線の回収はお見事でしたが、柳さんにしてはちょっとイマイチで残念な仕上がりでした。続→
2010/06/08
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