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変愛小説集2

変愛小説集2

変愛小説集2

作家
岸本佐知子
出版社
講談社
発売日
2010-05-28
ISBN
9784062162456
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変愛小説集2 / 感想・レビュー

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kariya

確かに「変」と「恋」はよく似ている。本人は真剣極まりなくても、傍目には滑稽に映りもするあたりとか。この本で遭遇する物語の数々は、身体の中に人が遭難するほどの寒風吹き荒ぶ空洞を抱えた娘や、隣で眠る妻が木製の人体模型だといきなり気付いた男、まだ見ぬ友の妹へ思慕という名の完璧な妄想を募らせる老人、妻の死と経営店の不振に悩む男が辿る哀切なSF風味の物語など、いずれ劣らぬ変り種ぞろい。でも何故だろう。読み終えると当たり前に思えてくる。異常で奇妙でおかしくても、本人にとっては真摯で唯一の愛だということが。

2010/10/28

澤水月

身体中に歯が生える女とのフェティシズム溢れるスラヴィン「歯好症」読め随喜流涙!シュワルツさんのために、妹(ミランダ・ジュライ最高!)が好み。彼氏島は日本の実話アナタハン事件を想起。筒井『異形の白昼』、澁澤『変身のロマン』など変な話ばかりのアンソロは昔から好き(これらがなければあの曽野綾子や半村良や太宰治に妖しき掌編あると知らなかったろう)。岸本さんは素晴らしい翻訳家・エッセイストなだけでなく前二人に比肩するアンソロジストだった!日本編も楽しみ。前著と合わせ好みでない作家が同じで自分の傾向再発見も楽しい体験

2016/06/16

あつひめ

こんなに面白い作品集も珍しい気がする。それも普通の恋愛なんて一つも無い。どこか滑稽だったり、どこか切なかったり。外国人の発想した世界だけれど、日本人好みの訳し方がまたいい。たぶん、他の人の訳ではこうはいかないのかも。でも・・・この作品を原文で読めたらどんなにいいだろう・・・とも思う。残念ながらその知識に欠けているので叶える事はできないけど・・・。

2010/10/17

tomo*tin

多数決で負けるベクトルを持つものは世の中的には変と言われるわけで、でも目的地に右から行こうが左から行こうが真上から落下しようが穴掘って真下から突きあげようが別にいいじゃないの、どんなんでも問題ないじゃないの、変?それが何か?な勢いだけれども愛なんだもの。てな感じで本書を読んで洗脳されたらいいと思う。愛の半径5M以内で匍匐前進してる孤独とうっかり目が合ったりして切なくなったりしちゃえばいいと思う。という岸本さんの変センスが光る愛な一冊。大好きです。

2010/06/22

メイ&まー

またまた選りすぐられた変愛たち。今回のはちょっと切ない感じ、考えさせられるもの、そういうお話が多い印象。最初の、彼氏島、なんてぶっとんだギャル言葉だわ、タイトル通りのうほうほ状態だわでテンション高いな~なんて思ってたら案外真面目に深い問いかけで終わってたり。好きなのは、絶滅危惧種的な扱いのチアリーダーを追いかけて西部劇風味な、私が西部にやって来て、そこの住人になったわけ、と、破滅を抱える男とその恋人との生活に女子刑務所の囚人が意外な形で絡む、ヴードゥー・ハート。なかなか一筋縄でない終わり方ばかりで面白い。

2015/01/09

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